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「MLGs水辺のエコロジーフットパス計画(案)in西の湖」が公表されました

琵琶湖の内湖である近江八幡市の「西の湖」をフィールドにMLGsワークショップが行われ、参加者とともに制作された「水辺のエコロジーフットパス計画(案)in 西の湖」(ドラフト版)が公表されましたので、ご紹介します。

(碧いびわ湖・根木山)

「水辺のエコロジーフットパス計画in 西の湖(案)」(ドラフト版)

「水辺のエコロジーフットパス」って?

「水辺のエコロジーフットパス」とは、水辺の周辺を人びとが歩いて回遊できる自然環境観察の径(みち)のことです。

西の湖とその周辺は、国の重要文化的景観第1号に指定され(2006)、湿地帯を守る国際条約ラムサール条約の登録地でもあります(2008)。

今年度は、ヴォーリズの森環境サポーターズとともに、MLGsワークショップを3回実施しました。参加されたみなさんとともに実際に西の湖の周りを2回にわけて歩いて回り、3回目のワークショップで話し合いを行い、「水辺のエコロジーフットパス計画in 西の湖(案)」(ドラフト版)が制作されました。

初夏の西の湖を歩く

 

ワークショップの1回目(フィールドワーク)は、昨年6月に行われました。北之庄沢にあるヴォーリズの森(環境教育施設)を出発点にして、西の湖を半時計回りにぐるっと1週、約11kmほどを参加者とともに歩きました。

ナビゲーターの河合嗣生さん(ランドスケープデザイン・アトリエ風)から、道すがら、さまざまな生きものについて教えてもらいながら、親子連れの参加者を含め、にぎやかな一行となりました。

注釈

注:ヴォーリズの森=学校法人ヴォーリズ学園・北ノ庄校地にある環境教育施設

なお、第1回フィールドワークの様子は、以下のYouTube「マザーレイクゴールズ」channelでご覧いただけますので、よかったらご視聴ください。

初夏の西の湖を歩く(MLGsワークショップ)

秋に北之庄沢から円山を歩く

 

秋のフィールドワークの様子

 

2回目のワークショップでは、秋に北之庄沢から円山にかけて歩きました。

途中、円山にある葭嘉西川嘉右衛門商店に立ち寄り、休憩させてもらいつつ、ヨシ産業について詳しくお話を聴くことができました。

参加者からも「ヨシ屋さんのところに地元の方がグループで写生にいらしていて、人の大きさとの対比で4~5mもあるヨシの長さを実感できた。また自然のなかに人がいることで、グッと風情のある光景になることがわかった」などと言った感想が聞かれました。

近くにあるお寺さんのヨシ葺き屋根も見学させていただき、長い年月をかけて自然と人間が共存することで形づくられてきた風景に魅入る時間となりました。

なお、第2回フィールドワークの様子も、以下のYouTube「マザーレイクゴールズ」channelでご覧いただけますので、よかったらご視聴ください。

北之庄沢から円山をあるく(MLGsワークショップ)

フットパス計画を話し合う

11月には、ヴォーリズの森(環境教育施設)にて、これまで2回のフィールドワークをとおして得られた気づきをもとに、「水辺のエコロジーフットパス」についての話し合いを行いました。ナビゲーターの河合さんの進行でなごやかに話し合いが行われました。

「あづちのふるさとばなし2」(2022年発行・安土ふるさと話発掘隊)をご持参くださった参加者さんもあり、地域に伝わるお話もひもときながら、西の湖の周りで自然と人間が共生してきた暮らしぶりに思いをめぐらせる時間となりました。

ドラフト版が公表されました

3回にわたるワークショップの成果として、河合さんを中心に「水辺のエコロジーフットパス計画in 西の湖(案)」がまとめられ、この程、ドラフト版が公表されました。

河合さんは言います。

“フットパスは、人が自由に歩く権利が前提にあり、そこにある風景を守ろうということが基本姿勢です。自分たちがそういう場所に住んでいながら、その風景を享受することがなかなかできていない、もしくは、すごく少ない人しかできていない。であるならば、それを広く、みなさんと一緒に歩いて、将来の自分たちの生活の中にひとつの価値として位置づけたいと思い、フットパスを提案しています。”

“あらためて思うのは、西の湖は、本当に風景が良い。開けているところ、開けていないところが適度にあって、すこし車道から離れると人工の音が聞こえなくなって、水の音がよく聞こえて、すごくよい場所だなと気づかされます。”

クレジット表記

「水辺のエコロジーフットパス計画(案)in西の湖」(ドラフト版)

発行:ヴォーリズの森環境サポーターズ・2023年3月

協力:マザーレイクゴールズ推進委員会、滋賀県、近江八幡市

図版制作:河合嗣生(ランドスケープデザイン・アトリエ風)

※本案は、令和4年度MLGs推進事業を通して参加者とともに制作された

ワークショップ開催情報

MLGsワークショップ「水辺のエコロジーフットパス計画 in 西の湖」 参加者募集!!「マザーレイクゴールズ(MLGs)」とは、きれいな琵琶湖を次世代に渡すための目標であり、県内では、MLGsを進める取組が様々な主体により...