開催レポート

みんなのBIWAKOエキスポ 「みんなのBIWAKO会議/COP5-vol.02 つながるブースセッション・フィナーレ」

2026年8月27日、イオンモール草津で「みんなのBIWAKO会議/COP5」がイオンモール草津で開催されました。
午後から開催された「つながるブースセッション」と「フィナーレ」の様子をレポートします。

出展者と参加者が交流する「つながるブースセッション」

レストランコート、セントラルコート、イオンホールの3会場で「つながるブースセッション」が開催されました。

このセッションは、ブースを訪れた参加者が出展者に直接質問したり、それぞれの活動について情報交換したりすることで、新たな連携やつながりを生み出すことを目的としたものです。

会場には、ビワマスの保全、ヨシの活用、琵琶湖のナマズ展示、沖島と「うみのこ」、プラスチックごみ、湖底清掃、流木の再利用、ラムサール条約、琵琶湖・淀川水系、琵琶湖疏水、森林、河川づくり、環境助成、環境ビジネス、魚のゆりかご水田、西浅井地域、滋賀県版図柄入りナンバープレートなど、多様なテーマの団体が参加しました。

それぞれのブースでは、活動の成果だけでなく、活動を続けていく中で見えてきた課題や、これから取り組みたいことについても紹介。

来場者が「これはどういう活動ですか?」と質問すると、出展者が実物や写真、資料を示しながら説明するなど、展示を見るだけでは分からない活動の背景についても知ることができました。

ブースをきっかけに、異なる分野で活動する人同士が言葉を交わすことで、琵琶湖を取り巻くさまざまな活動がつながっていく時間となりました。

いくつかのブースを紹介します。

Rキッズ「プラスチックを減らす暮らしを広げる」

プラごみ研究会Rキッズのブースでは、マイクロプラスチック調査や、マイ容器・マイボトルの利用を広げる取り組みについて紹介しました。

8月2日には大津の湖岸でマイクロプラスチック調査を実施。5班合計でメソプラスチック102個、マイクロプラスチック49個を確認しました。調査結果から、調査対象となった砂浜全体では、マイクロプラスチックが約3万2,000個あると推計されるとの報告がありました。

身近な砂浜にどれほどのプラスチックが存在しているのかを調査することで、プラスチックごみの問題を自分たちの暮らしと結びつけて考える機会をつくっています。
マイクロプラスチック問題を解決するためにRキッズが行っているのは、マイバッグ、マイ容器、マイボトルの普及活動です。
大津市のなかまち商店街で、マイ容器の利用が可能か、店舗でどのようなプラスチック削減ができるかを聞き取る活動も行いました。

タッパーなどのマイ容器を持参すると、商品を容器に入れてもらえる店舗の情報をまとめ、「くるん買い物マップ」としてインターネット上で公開しています。

まるよし「ヨシを環境保全だけでなく産業として活用する」

ヨシの活用によるヨシ原の保全活動をおこなっている特定非営利活動法人まるよしのブースでは、琵琶湖のヨシを活用した製品づくりと、ヨシ産業を持続可能なものにしていくための取り組みが紹介されました。

ヨシの主な用途はすだれで、茅葺き用として使われていますが、刈り取られたヨシのすべてが製品として利用されているわけではなく、現在、製品として活用されるのは約3割で、多くが未利用または焼却処理されています。
まるよしは、廃棄を減らすために新商品を開発しました。ヨシを細かく砕いた「ヨシチップ」は、自然由来の材料を多く使った接着剤などと合わせ、高温・高圧でプレスすることで、コルクボードのような「ヨシストランドボード」に加工することができます。
机や棚などにも使用でき、不燃性などの条件を満たせば建築構造への活用も可能といいます。

こうした状況を変えるため、まるよしが目指しているのは、ヨシを「環境に良いから使う」だけではなく、「ヨシで稼ぐ」仕組みをつくること。
若い世代がヨシに関わる仕事だけで生活できるような収益構造をつくり、後継者を確保することが、ヨシ原を守り続けることにもつながります。
環境保全と経済活動を両立させながら、琵琶湖のヨシを次の世代へつないでいく取り組みが進められています。

近江楽座 座・沖島「地域に寄り添い、島の文化を支える」


滋賀県立大学の「近江楽座 座・沖島」は、沖島を対象に活動する学生団体です。学生が地域に入り、島内の行事への参加・支援や、沖島の文化を学ぶ活動などを行っています。

春祭りでは神輿の支援、夏祭りでは模擬店の運営など、地域の人たちと一緒になって島の行事を支えています。
団体全体では63人が活動しているとのこと。

沖島では近年、年間1~2人ほどの移住者がいる一方、高齢者が人口の7割を超えるとみられ、若年層が少ないことが課題となっています。

「座・沖島」が活動を始めたきっかけは2016年。初代代表が離島振興推進協議会の話を聞き、沖島の祭りに参加したことをきっかけに団体が設立されました。
現在も、学生が新しいイベントを次々に企画するというより、沖島で必要とされていることに寄り添い、既存の行事や文化、地域資源を支えることを大切にしています。
活動を通じて、島民から感謝の言葉をもらうことも多く、祭りの後に交流や食事会に招かれるなど、地域の人々との関係も少しずつ深まっています。
今回のブースでは、こうした活動を多くの人に知ってもらうことを目的に、沖島での取り組みを紹介。学生が地域に入り、地域の人たちと一緒に活動することで、島の文化を次の世代につないでいく姿が紹介されました。

日本潜水協同組合連盟「ダイバーだからできる琵琶湖の湖底清掃」


日本潜水協同組合連盟のブースでは、ダイバーによる琵琶湖の湖底清掃活動について紹介しました。

同連盟は、ごみ回収だけを目的とした団体ではなく、ダイバーを中心とする団体です。湖底での作業は、陸上からでは対応できないため、ダイバーの技術を生かして清掃や回収作業を行っています。
外部からの要望を受けて活動する場合だけでなく、団体が自主的に清掃活動を行うこともあります。琵琶湖では年間おおむね7回の清掃を実施しており、愛知県でも年間1~2回ほど活動しています。

湖底からは、ロープなどの「綱ごみ」や漁業関連のごみ、疑似餌のようなものなど、さまざまなものが見つかります。
古くから沈んでいるものもあり、漁師が使用する物品と考えられるものもありますが、すべてが漁師由来とは限らず、投棄されたものなのか、何らかの理由で流失したものなのか、経緯が分からないものも多いといいます。
小型で軽いごみであれば、ダイバーが浮力を利用して水中から引き上げます。一方、大型のごみはダイバーだけで持ち上げることが難しいため、回収物をロープで固定し、船などの陸上隊が引っ張り上げます。

水中に入るダイバーと、船上などで作業を支えるメンバーが連携することが、湖底清掃には欠かせません。
今回の展示では、こうした活動を知ってもらうことに加え、ダイバーの参加者を増やすことも目的の一つとして紹介されました。
琵琶湖の水中環境を守るために、普段は見ることのできない湖底で活動する人たちの存在を知る機会となりました。

滋賀県琵琶湖環境科学研究センター「ビワマスの保全活動」

滋賀県琵琶湖環境科学研究センターのブースでは、野洲市の家棟川で行われているビワマスの保全活動について紹介しました。

ビワマスはサケ科の魚で、琵琶湖にのみ生息する固有種です。秋になると川を遡上して産卵し、稚魚は川で育った後に琵琶湖へ下ります。そして琵琶湖で3~5年ほど成長した後、生まれた川へ戻って産卵します。
しかし、家棟川ではビワマスが産卵するために適した砂利が少ないことや、川の途中にある落差によって遡上できない場所があること、密漁の危険があることなどが課題となっています。
そこで取り組んでいるのが、産卵環境の整備や魚道の設置です。ビワマスは砂利の中に卵を産みます。砂が砂利の隙間に入り込むと産卵しにくくなるため、人の手で砂を取り除き、産卵に適した環境をつくっています。

魚道は魚が川の段差を越えて移動するための通路です。魚道を整備することで、ビワマスが一か所に滞留することを防ぎ、より広い範囲で産卵できるようになります。
こうした取り組みの成果も見えてきています。活動が始まった2015年頃には、1日に1匹確認できればよいという状況でしたが、活動開始から約10年が経過した現在では、1日に5~6匹確認できるようになり、確認数は約10倍に増えたとのことです。
ビワマスが生まれた川へ戻り、再び命をつなぐためには、川と琵琶湖を行き来できる環境を守ることが重要です。
今後は、これまでの保全活動で達成されつつある成果をもとに、ビワマスを地域の象徴として、地域そのものを盛り上げていくことを目指しています。

さまざまな活動が「つながる」時間に

今回のつながるブースセッションでは、プラスチック削減、ヨシの活用、地域文化の継承、湖底清掃、ビワマスの保全など、活動分野の異なる団体が一堂に会しました。



それぞれの活動には、地域や環境を守るという共通点がある一方、活動を続けるために必要な人材、地域との接点、資金や収益性、情報発信など、さまざまな課題もあります。
琵琶湖を守る取り組みは、一つの団体だけで完結するものではありません。森、川、里、湖、そしてそこに暮らす人々。それぞれの場所で行われている活動がつながることで、新たな取り組みや協力関係が生まれていきます。

今回の「つながるブースセッション」は、参加者がさまざまな活動を知り、自分にできることを考えるとともに、活動する人同士が新たなつながりを見つける場となりました。

MLGsが掲げる「2030年の琵琶湖と琵琶湖に根ざす暮らし」に向けて、これからも一人ひとりの小さなアクションと、多様な主体のつながりが、琵琶湖の未来をつくっていきます。

フィナーレはみんなでMLGs体操!

セントラルコートで行われたフィナーレでは、琵琶湖と諏訪湖をつなぐ交流や、MLGsアートプロジェクト「夢の魚」作品の完成発表、会場で行ったMLGs認知度調査、各ブースの活動報告などが行われました。

フィーナーレはおなじみの「MLGs体操」でスタート!
MLGs体操は、「マザーレイクゴールズ広報大使」の伊藤みきさんがプロデュースした体操で、MLGsを身体で表現しています。

伊藤みきさんやエニタイムフィットネスのスタッフのみなさんも登壇し会場のみなさんも一体となって体操をおこないました。

みんなでつくるMLGsアートプロジェクト「夢の魚」も完成!
高校2年生の高校生画家・杉本湖子さんが制作した「夢の魚」も紹介。虹色を使い、魚の目に琵琶湖の形を取り入れた作品で、来場者が琵琶湖への思いを書き込み、完成。
みんなの琵琶湖への想いの中を魚が力強く泳ぐ作品になりました。作品はイベント終了後、滋賀県庁で展示されました。

後日、滋賀県庁で掲示されました

また、ブースセッション総括では、ブースリーダーが登壇し「びわ湖との約束」を発表。
これから実現したいことや取り組んでいきたいことなどを発表しました。

最後はみんなで「琵琶湖周航の歌」を大合唱!

登壇者・観客のみなさんも一体となって合唱!歌でつながり、「みんなのBIWAKO会議/COP5」は幕を閉じました。

今回の会議では、MLGsの5年間を振り返り、13のゴールの現状と課題を共有するとともに、専門家や活動団体だけでなく、学生、子ども、買い物客など、より幅広い人がMLGsに触れる機会が設けられました。

2030年に向けて、地域・流域の健全な循環を考えながら、それぞれの立場で取り組みを続けていくことが、今後のMLGsの活動につながっていきます。