こんにちは。MLGsライターの二葉楓馬(京都外国語大学3年・IVUSA)です。
9月9日から11日の3日間、滋賀県草津市のヨシ植栽地にて、「琵琶湖外来水生植物除去大作戦2022」を実施しました。NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)学生117名、IVUSA事務局2名、IVUSA理事1名、IVUSA卒業生9名、滋賀県庁、山田漁業協同組合、他企業の方々40名で、3日間延べ約450名が活動しました。当日は、参加者全員の事前PCR検査、検温、体調チェック及び活動中のマスクの着用など、感染対策を徹底したうえで活動に臨みました。
オオバナミズキンバイ(以下オオバナ)は、その繁殖力の強さから、多くの固有種が生息する琵琶湖の生態系や水質に悪影響を与えています。IVUSAは2013年から9年間で累計75回に渡りオオバナの除去活動を行なっており、これまでに行政、環境団体、漁業組合、地域住民の方々含む延べ約12,900人の参加者で約400トンのオオバナを除去してきました。琵琶湖岸の大群落は無くなりましたが、近年、高島市、近江八幡市、草津市等のヨシ植栽地内におけるオオバナの大繁殖が大きな課題となっています。今回IVUSAは、琵琶湖南部への拡散リスクが高まっていることから草津市ヨシ植栽地の完全除去を目指し活動を行いました。
1日目、学生は京都府の東本願寺前で集合し、バスに乗り滋賀県草津市の山田漁港に向かいました。プロジェクト初参加者や1年生の学生も多く、期待と不安が入り混じった雰囲気の中で学生はそれぞれの思いを胸に漁港へと向かいました。
開会式には、草津市長 橋川渉様をはじめ、滋賀県理事 三和伸彦様、山田漁業協同組合組合長 横江久吉様、草津市議会議長 伊吹達郎様など多くの方々にご来賓いただき、「オオバナがヨシ植栽地で繁茂しており、琵琶湖への拡散のリスクが非常に高い状況です。皆さんのお力でオオバナを根絶して頂きたい。怪我のないように除去活動が実施されるよう宜しくお願います。」と激励の挨拶をいただきました。学生代表でありプロジェクトマネージャーの島田晴(関西大学4年)の掛け声とともに開会宣言があり、士気を高めてヨシ植栽地に向かいました。
学生は活動現場に着くと、胴長を着用し、2つのグループに分かれて、手作業でオオバナ除去を行いました。現場には目を見張るほどのオオバナが繁茂しており、琵琶湖の在来種であるヨシと混生し、水面が見えない状態でした。学生は、黄色い花・赤い茎・互い違いの葉といったオオバナの特徴など事前の学習会で得た知識を活かし、在来種であるヨシを傷つけないよう丁寧に除去しました。除去したオオバナはトロ箱に集め、ヨシ植栽地の外側で待機している山田漁業協働組合の船まで持ち運んで積み込み、山田漁港に運搬しました。
また、三日月大造滋賀県知事が山田漁港まで激励に駆け付けてくださり、島田晴を含む学生数人・山田漁業の漁師さんと一緒に、活動に対する想いやヨシ植栽地の被害状況、今後の展望について会談しました。また今回の活動に対して直筆の感謝状も贈呈してくださいました。
初日は、プロジェクト初参加の学生も多く不慣れな部分はあったものの、学生は元気に作業を行い、約12.4トンのオオバナを除去することができました。宿舎に戻り夕食を浜で頂いた後、ミーティングを行い、初日の反省や成果などを報告し、2日目に備えました。
2日目も引き続きオオバナの除去活動を行いました。初日の反省や改善点を活かし、学生一人一人が主体的に声出しをして、グループ間で連携を取りながら、ヨシに絡んだオオバナの除去や運搬や詰め込みなど効率的に作業を進めていきました。その結果、2日目は約10トンのオオバナを除去することができました。
また現場には、エチオピアのタナ湖における外来水草(ホテイアオイ)の過剰繁茂対策に関するプロジェクト「SATREPS-Earth」として活動されているエチオピア人の方々も視察に来てくださり、「実際の除去活動を体験できていい経験になった。また情報を交換したい。」と言ってくださいました。
夕食をいただきミーティングをした後は、今回のプロジェクト参加者で交流会を行いました。浜で花火やお菓子を食べたりし、所属大学や学年の垣根を越えて親交を深めることができました。オオバナ除去活動中の真剣な取り組みとはまた違った表情で、学生それぞれが楽しんでいる様子でした。
3日目も、完全除去を目指しオオバナの除去活動を行いました。最終日ということもあり、疲労も溜まっていましたが、学生それぞれが熱い想いを込めて活動に取り組みました。活動の終盤には、取り残しが無いように、浮いているオオバナの葉と茎をタモで回収したり、手作業でヨシに絡んだオオバナを取ったりしました。
最後に、袋詰めした全てのオオバナを、バケツリレー形式で学生全員が一丸となって運搬し、プロジェクト幹部が船に最後の袋を積み込んで、活動を終え、最終日の3日目は、約7トンのオオバナを除去することができました。終了の際には完全除去達成の喜びを参加者全員で分かち合いました。
閉会式では、山田漁業協同組合 組合長の横江久吉様から「思っていた以上の収穫があった。言葉で返せることではないが感謝そのものです。また機会があれば協力して助けて頂きたい。」、滋賀県庁農政水産部技監の二宮浩司様から「若い皆様の力は凄い。オオバナがいっぱい生えていたものが綺麗になった。感謝感激です、ありがとうございます。」と感謝のお言葉をいただきました。
その後、今回のリーダーである島田晴を含め、運営に携わった幹部メンバーから活動に対しての想いを言葉にして隊員に伝え、それに対して隊員からは幹部メンバーにサプライズをしてお互いに今回の活動の成功を讃え合いました。
最後に関係者含め全員で集合写真を撮り、達成感の余韻と興奮に包まれた笑顔の中で「琵琶湖外来水生植物除去大作戦2022」は幕を閉じました。
今回の活動では3日間で総重量約30トン、約2,000㎡の特定外来生物オオバナミズキンバイを除去できました。
今回の活動を通し、多くの人々がオオバナの脅威・問題を認知し、また、解決に向けて行動できる社会に繋がることを願うとともに、IVUSAも引き続きオオバナ完全除去に向けて、大学生のマンパワーを活かして除去活動を続けていきます。
最後になりましたが、今回の活動に携わっていただいたすべての方々に感謝致します。ご協力、本当に有難うございました。今後ともよろしくお願い致します。
プロジェクトマネージャー 島田晴より
私は大学1年生の6月、偶然の出会いでIVUSAに入りました。
当時やる気にみなぎった私が、偶然関わったのがオオバナ除去活動でした。
大学2年生の時、コロナ禍になり夏の大規模プロジェクトは出来なくなり、可能なタイミングで定期的な除去活動を実施してきました。
大学3年生の夏、先輩たちと一緒に大規模プロジェクトの幹部として、今回の草津市ヨシ植栽地での活動準備を進めていました。
しかし、またコロナで活動は中止せざるを得ない状況となり、悔しい思いのまま不完全燃焼で終わってしまいました。
そして今年、4年生の夏、念願の大規模プロジェクトが実施できました。
開会式には滋賀県庁、草津市の関係者、企業の方々にお越しいただいて激励のお言葉をいただき、また一緒に現場で除去作業を手伝っていただきました。
三日月大造滋賀県知事も、お忙しい中で時間を調整して駆け付けてくださり、手書きの感謝状を手渡ししてくださいました。
皆さまのお言葉ひとつひとつが、本当に励みとなりました。
そのことを通し、IVUSAのオオバナの活動への期待値を改めて実感し、そしてこの活動を今後もしっかりと後輩に繋いでいきたいと更に強く感じました。
今回の活動では、草津市ヨシ植栽地の拡散リスクの高い群落の完全除去を無事に達成することができました。
事前、そして当日わざわざ足を運んでくださった皆様の御支援のおかげ、そして綺麗に取り切ろうと最後まで除去に注力した学生のパワーで、琵琶湖を守ることの一助になれたのではと思います。誠に有難うございました。
私たちは今後も活動を継続し、綺麗で人から愛される琵琶湖を守っていきます。
===ご協力いただいた皆様(順不同・敬称略)===
◆後援◆
滋賀県
◆協力◆
山田漁業協同組合
◆協賛企業◆(敬称略・順不同)
西菱電機株式会社
株式会社キャノンマシナリー
滋賀建機株式会社
クラシエフーズ株式会社
株式会社ランドアート
玉津小津漁業協同組合