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【学生ライター特集】マザーレイクゴールズ広報大使・伊藤みきさん

こんにちは。

MLGs学生ライターの畠 麻理奈(立命館大学2回生)です。

今回は、2022年よりマザーレイクゴールズ(MLGs)広報大使に就任された伊藤みきさんを学生ライターが取材しました。

伊藤みき

滋賀県日野町出身。元フリースタイルスキー・モーグル日本代表で、トリノオリンピック(2006年)、バンクーバーオリンピック(2010年)、ソチオリンピック(2014年)と3大会連続で代表に選出され、長年に渡り女子モーグル界を牽引。

 

モーグル選手をされている時から感じていた環境問題に対する考えやMLGs広報大使になった今、改めて感じる課題や活動に対する想いを伺いました。

 

引退後は環境問題に携わってみたい!という想いをお持ちだったとのことですが、滋賀県やMLGsに関わることになったきっかけはどのようなものでしたか?

モーグル選手だった時から自分が直接、環境問題に関わることに取り組みたいと思っていました。モーグルという競技は、雪があって初めて成り立つ競技ですし、スキーなども含め冬のスポーツには雪は欠かせないです。大会を含め、合宿などで雪国に行くことが多かったのですが、私が18歳の頃から氷河の姿が年々変化していくのを目の当たりにしていました。「氷河は今よりずいぶん多かったよ。」と30歳になった頃に後輩に話す自分がいて、徐々に消えていく雪や氷河に不安と恐怖を覚えました。夫が環境科学の大学院生だということもあり、環境に関する話はよく教えてもらいますが、自分自身でできることに取り組みたいという想いは年々強くなっていったことをよく覚えています。

「2013FISフリースタイルスキーワールドカップ福島猪苗代大会」でW杯初優勝を飾った伊藤さん

ささやかな取り組みでしたが、SDGsが日本に浸透する2年くらい前から、SDGsバッジを持ち歩くようにして、私の周りの人にも伝えることで、少しずつ理解が深まっていった印象があります。

また、しがスポーツ大使に就任した頃に、滋賀県庁に伺う機会があり、琵琶湖版SDGsであるマザーレイクゴールズ(MLGs)の取り組みを知りました。「私にも、何かできることはありませんか?」と自らお願いして、MLGs広報大使に推薦いただき、広報大使としての活動がスタートしました。

Think locally, Act globallyを大切にされていると伺いましたが、伊藤さんがこの活動に込める想いやモチベーションになっている経験はありますか。

とにかく、インパクトのある大きなものも大切ですが、身近なところから変えていきたいと思っています。SDGsに関する活動でよく言われる「Think globally, Act locally」という言葉とは反対に 「Think locally, Act globally」という考え方もあると考えています。私が実際にモーグル選手だった時は、後者の考えが根幹にあったと思います。

少し個人的な話になってしまうのですが、私の実家では、家の裏に畑があり、コンポストを使用していました。生ゴミは畑に返すもの、と思っていたので、大人になってから生ゴミは全てゴミ箱に捨てていることに違和感を覚えていました。(笑) 例えば、少し余った油や味噌なども、全て土に返していたので、そのような経験がきっかけでSDGsやMLGsのスタンスに共感できるマインドが整っていったのかもしれません。私のアスリート仲間にも、お肉を食べる量を減らして、家畜の負担を減らせたら…という考え方を持っている人もいます。MLGsも身近に感じて初めて、自分ごとにできる気がしますし、アクションも起こせるのではないでしょうか。

MLGs体操は、老若男女誰でも取り組めるものだと思いますが、MLGs体操でのおすすめ部分、好きな部分、もっと知ってほしい部分を教えてください。

とにかく、MLGs体操はすごく可愛いポーズが多いです。10番のゴール(地元も地域も学びの場に)ではステージがどんどん盛り上がっていくような振り付けが施されていますし、みんなで学ぼう!という雰囲気が伝わってきます。歌詞でも、「きみの故郷学びの場」というフレーズが使われているのですが、私は滋賀県、琵琶湖、を”みんなの故郷”として表現している部分がすごく好きです。振り付けを含め、滋賀県のみなさんが1から作り上げた体操、ぜひ実践してみてほしいと思います。

MLGs体操は、こちらからご覧ください。

多くの方と一緒にMLGs体操!

 

伊藤さんはおやすみの時は何をされていますか?

私は、すごくボーっとする時間が個人的に必要で、おやすみの日には、カフェで読書したりしてリラックスしています。子育てしているとなかなか難しいですが、夫とも協力し合ってリセットする時間を作ることを意識しています。森 博嗣さんの本など、架空の話が好きなので、非現実的な内容を読むことが多いですね。

モーグル選手時代の時間の使い方や切り替え方は工夫されていましたか?

現役の選手時代は、遠征が多く、それに伴う移動が多かったです。移動中の時間は良くも悪くも試合を引きずりそうになるので、切り替えるようにしていました。そのため、やりたいことやいきたいところのリストをひたすら書いていた覚えがあります。(笑) 今は、iPhoneのリマインダーを使って、やることの優先順位をつけるようにしています。自分と向き合う時間があると、自分の中での譲れないこと、ルーティーンは自然とわかってくるものです。私の場合は、睡眠が少なくなると余裕がなくなってくるので、育児もしながらですが、質の良い睡眠を取ることを今も心がけています。

伊藤さんが考える滋賀県の良さは何ですか?

綺麗な水、自然豊かな山、琵琶湖につながる川があることですかね。私の父は、ウィンドサーフィンがすごく好きで、引退後、一緒に行きましたし、何より自然の中で遊べる場所が滋賀県には多いなと思います。それと子どもと一緒に行ける場所も多いですし、子育てしている身としてはすごくありがたいです。SUPやカヤック、トライアスロンなどもありますね。もちろん、スキー場もあります。

琵琶湖を滋賀県のシンボルとして県民の方々が大切にされているからこそ、マリンスポーツやビワイチなどが普及すると思いますので、琵琶湖に関わるどのアクティビティを体験しても滋賀県の良さを感じられると思います。

 

SUPをされる伊藤さん

 

MLGsで最も自分の生活で達成できている・意識しているゴールは何ですか?

私は、11番の「びわ湖を楽しみ、愛する人を増やそう」を達成・意識できていると思います。選手時代を経て、故郷で自分がやりたかった環境問題に関わる活動ができているのは本当に幸せなことですし、私自身が滋賀県での活動を通して県内外の皆さんに少しでも行動が変わるきっかけを提供できたらいいなと思っています。

逆に、4番の「水辺も湖底も美しく」9番の「生産・産業に地域の資源を活かそう」に関しては、まだまだ自分ごとになっていないと感じていて、こうした自分から遠いゴールをいかに身近にできるかが重要になってくると思います。社会福祉法人わたむきの里の「ファームわたむき」の皆さんと一緒に作ったお米『いとうさんし米』を通して、雪山と琵琶湖の間にある田んぼで、実践を伴った活動をさせていただいてます。

田植えにも積極的に取り組む

 

モーグル選手としての経験はどのような形で活きていますか。

モーグル選手時代は、常に結果が出る世界で生きてきました。現役時代から環境問題について取り組んでみたい、とは思っていましたが、今ほど環境問題を意識して何か取り組んでいたか、と言われればそうではありません。今回MLGs広報大使としての機会をいただき、常に評価される場所で生きていた選手時代を振り返ってみて、自分にはプロジェクトを推進させる力があると感じました。自分がやってみたいことを実現させる、MLGsにたくさんの人を巻き込んでどんどん勢いをつけていく、そのような部分でお手伝いさせていただければと思っています。

今日も三姉妹でのモーグル教室やイベント開催をされていましたが、MLGsも含めこれからの活動に向けた展望や計画を教えてください。

まずは、大好きなモーグルを愛する人を増やすこと、スキーやスノースポーツを体験していただけるきっかけを作りたいということ、そして何より雪山を残していきたいです。

MLGsの活動では、MLGs体操で滋賀県内に限らず様々な施設や団体を回りたいです。幅広い方々と共に環境に対しての知識を学んでいきたいと思いますし、実践を伴った活動を皆さんと行なっていけると思っています。

伊藤三姉妹×グランスノー奥伊吹 モーグルフェスティバルにて