10月6日(日)、近江八幡市の西の湖にて特定非営利活動法人まるよし主催の「カヤック体験&ヨシ工作/2024MLGsワークショップ」が開催されました。当日は参加者がカヤックに乗り、湖上からヨシを眺めたのち、ヨシを使って葭簀(よしず)編みのワークショップに参加。
ヨシの新たな魅力発見につながった、当日の様子を紹介します。
カヤックで西の湖へ!間近でヨシを観察
カヌー講師の野村光香さん、特定非営利活動法人まるよし理事長の宮尾陽介さんと一緒に、参加者全員で準備体操を行いました。
続いて、パドルの持ち方・使い方を学びます。パドルは想像以上に重く、最初は持ち方や動かし方に悩む方も。
野村さんからは「実際にカヤックに乗ると、今の説明の意味をより体感してもらえると思います」と説明があり、安全な乗り方・降り方についても、丁寧なレクチャーがありました。
この日は、適度な日差しがあり、風もほとんど吹いていない絶好のカヤック日和。救命胴衣を身につけて、裸足になり、それぞれカヤックに乗り込みます。
パドルの使い方に苦戦する姿も見られましたが、少しずつ慣れてくると、参加者のみなさんも、それぞれ思いどおりの方向に進んでいました。
ヨシを間近で眺めたり、波の音や鳥の声に耳を澄ませたり。自然の中でゆったりと過ごす貴重な時間が流れていました。
思う存分西の湖とヨシ観察を満喫。陸に戻って着替えを済ませ、休憩タイムです。
ヨシとMLGsに関する学びの時間
宮尾さんは「ヨシは4月ごろから芽吹き、夏ごろまでに4mくらいまで伸びます。秋には、地上部の茎の養分が地下茎へと行き、収穫時期を迎えます。春までに刈り取り、刈り跡を焼くことで、また春には新しい芽が出ます」とヨシの1年のサイクルをわかりやすく説明。
また、ヨシの面積は、109ヘクタール、西の湖の面積は220ヘクタール。つまり、西の湖のおよそ半分くらいの面積のヨシ原が、西の湖の周りに広がっているといった話もありました。
MLGsの定義についてもわかりやすく解説
宮尾さんの活動につきましては、下記記事にてさらに詳しく紹介しています。
ものづくり体験!葭簀編みワークショップ
「まるやまの自然と文化を守る会」髙嶋幾子さん(右)、井本正子さん(左)
続いては、「まるやまの自然と文化を守る会」の髙嶋さん、井本さんが登場。今回の葭簀編みワークショップの講師です。
髙嶋さんが入り口に飾られている布について、「ヨシ糸を草木染めにして、手機で織った」と説明すると、参加者からは感嘆の声が上がりました。
そして、2人1組で葭簀編みをスタート。
教えてもらいながら、1本ずつヨシを重ねて糸で固定していきます。繰り返しの作業のため、一度コツを掴むと、みなさん作業がスピードアップしていました。
ワークショップ中には、琵琶湖よし笛で奏でられた「琵琶湖周航の歌」の演奏も。美しい音色が響きます。
そして、葭簀の完成です。自分たちの手でつくった葭簀は、きっと愛着もひとしお。
そして、全員で再び外へ。
外に置かれていたのは、作成中の葭簀です。幅2500の大きなサイズ。ヨシを前に、宮尾さんから「断面を見て、何か気づくことはありますか?」と質問がありました。
「節の近く」の声にうなずく宮尾さん。「そうです。節のところは頑丈なので、節付近でカットしています。そうすることで強度が高まり、葭簀を外すときに壁などに当たっても割れにくくなります」と、「節止め」について説明。
そのほか、両端を節で合わせようとすると難しいため、交互に合わせていくといった話や「松葉編み」と呼ばれる頑丈な編み方の話、ヨシの太さを合わせたり、曲がっていないものを選んだりといった選別の大変さについての話も飛び出しました。
ワークショップを終えた参加者の方からは、次のような感想がありました。
「西の湖の周りを車で走ることはあっても、カヤックをやったことはなかったので楽しかった」
「今回、初めて1人で乗りました。最初はくるくる回ったけれど、楽しかったです。また乗りたいですね。葭簀編みも、今回が初めて。こういうふうに作るんやなって勉強になりました」