こんにちは、マザーレイクゴールズ世話人会の佐藤祐一(琵琶湖環境科学研究センター)です。
11月12日(金)15:00-16:30に第3回「MLGs月イチおしゃべり会」を開催しました。
今回のおしゃべり会のテーマは「教えてコスモさん!地域版SDGsってどうですか?」。ゲストに慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任助教の高木超さんをお招きし、地方自治体におけるSDGs活用の第一線で活躍される高木超さんの視点から、全国の事例とMLGsを比較しながらディスカッションを行いました。MLGs賛同者、世話人、事務局を合わせて合計11名が参加しました。
アイスブレイクのあと、私(佐藤)からMLGsがどのようにできたのかに関する情報提供を行い、高木さんからは「SDGsとMLGsの違いから考える持続可能な世界」と題して、SDGsとMLGsの違いを「インターリンケージ」「バックキャスティング」の2つの特徴から話題提供くださいました。その中では、他自治体の地域版SDGsの事例について紹介され、SDGsを念頭に地域の文脈を踏まえて形成された目標がある一方で、MLGsは琵琶湖の環境保全を念頭にSDGsの特徴を活用して形成されたことといった違いがあるのではとの解説がありました。最後に、MLGsをより理解する視点として、「MLGsは環境分野から始まっており、社会・経済分野とのインターリンケージへの留意は十分か?」「MLGsは行動を積み上げて目標に到達するため変革的な手段を検討しうるか?」という2つの問題提起をいただきました。
また、SDGsとMLGsの共通点として「多様な人が連携し、目標達成に向けて取り組むこと」の重要性も改めて高木さんから示されました。
その後のディスカッションでは、特にMLGsとバックキャスティングについて議論が盛り上がりました。MLGs世話人会の関係者からは、「いま話題の新庄剛志監督が「優勝を目指さない」といったのは、小さなことの積み重ねが優勝につながる唯一の方法であるという意味ではないか」「高い目標を掲げるよりも、新しい人たちとつながりあうことで初めて新しい発想ややり方が生まれるのではないか」「学生たちには、とにかく無駄なことをやろうと話している」など、MLGsがなぜ敢えてバックキャスティングと言っていないのかに関する個々人の考えが披露されました。一方で、「行動の積み重ねがゴールにならないこともあり、現状に肯定的になりすぎないことも必要」との声もありました。高木さんも、高い目標を掲げるからこそ現状を打破する新たな発想が生まれるということと合わせて、人と人のつながりが創発を生み出すことについては大いに賛同をしてくれました。
また、参加者のお一人が埼玉県の高校1年生でしたが、「渡良瀬遊水池を対象としたゴール「ハートランドゴールズ(HLGs)」を作りたい」とのことで、ご自身の案を披露してくれました。これには参加者一同が感服。内容の完成度も大変高いものでしたが、ぜひ周りの人たちとも一緒に相談して進めてほしい、また改めてHLGsをテーマにしたおしゃべり会を開催したいという声も上がりました。他の参加者からも、プラスチックゴミの削減のために量り売りを進めたいが、なかなかメーカーの方で声を聞いてくれなかったという実体験をお話いただいたり、ご自身の事業でさらにSDGs・MLGsにならった取組を進めるためのアイディアを高木さんよりアドバイスをいただくこともできました。
90分という短い時間とは思えないほどに議論が深まり、またMLGsの意義をSDGsとの比較から見直すことができました。次回は12月を予定しておりますので、今回は参加できなかったという方も、ぜひSNSやホームページをチェックしてくださいね。