開催レポート

「水質事故被害拡大防止実地訓練」に参加しました!

こんにちは、インパクトラボスタッフの豊田真彩(立命館大学)です。

2021年11月5日、滋賀県甲賀市にて滋賀県、湖南・甲賀環境協会主催の「水質事故被害拡大防止実施訓練」が開催されました。

今回の訓練では、谷口商会株式会社の小野雄ニ郎様によるご講演と、実地訓練の2部制で行われました。
会場には約50名の方が集まり、水質事故防止についての理解を深められました。

講演では、小野様より漏油事故が起こった際には「身の安全を第一に確保した上で『初動の対応』が重要であること」を教えていただきました。油の流出はステージ(工場などの床面→水路→河川→琵琶湖•••)に分かれており、早いステージで止めることで被害も費用も抑えることができるといいます。

今回のイベントは、ここにMLGsとの繋がりがありました。水質事故を早く抑えることで琵琶湖はもちろんその周辺の環境や生態系、人々の暮らしを守ることになっているのです。

また、今回は工場に勤務されている方や行政の土木環境分野に関わる方向けの訓練だったということもあり、「事故が起きた際には、環境・安全・費用を考える三者がいる。そうした状況では行う対策や判断に対して『説明責任』を果たすことが重要である」と、水質事故の対応について基礎知識を身につけておく必要性についてのお話もありました。

その後、参加者の皆さんは屋外へ移動し実地訓練を行いました。

最初は4グループに分かれて4つの緊急資材の使用方法を実践しました。

▲①工場で油が漏洩するなど水に油が流れてしまったときに、油との親和性が高く、水に浮いやすいポリプロピレンでできた吸着マットで回収する。

 

▲②交通事故の現場など路面に流れた油をセラミックスの吸着剤で吸着する。油を拡散させないように傾斜を確認しながら周りから囲うようにかけていく。

 

▲③川砂を袋に詰めて土嚢を作成する。運びやすく積むときに形の融通が効くように4/1~1/3ほどの量を入れる。

 

▲④土嚢を積んでいく。結び目を下流側の下に向け土が流れないようにすることや隙間を防ぐために足で踏み固めることがポイント。

 

次に油流出想定訓練として、油に見立てたピンポンボールを用いて水路でのデモンストレーションが行われました。

事故の発生から報告、現場での対策の流れを見ることができ、作業された方の素早い対応に緊張感も感じられました。

そして最後に、参加者の皆さんで水路での土嚢積みを体験しました。

約半日のプログラムでしたが、参加者の皆さんの熱心に取り組まれている姿がとても印象的で、この学びを現場に持ち帰り緊急時に備えられるのだろうと思います。

今回の訓練を見学させていただき、参加されていた方や資材メーカーの方がいらっしゃることで、事故が起きた際の被害防止や環境保全、さらには私たち市民の安全を守ることができているのだと知ることができました。

また、午前中には、大学生5名が訓練の前に特別に資材の使用方法を体験させていただきました。
参加した学生からは、「このような体験は初めてで、慣れないこともあったけど実際に体験してみることでたくさんの気づきがあった。とても勉強になった。」との声が聞かれました。

私自身も今回のような訓練は経験がなく、全く知識もありませんでした。
しかし、講師の皆さんにわかりやすく教えていただき、身の回りの生活との繋がりも感じられたことで、水質事故の防止について理解することができたとても良い経験となりました。

イベントの主催の方をはじめ、準備・運営などしてくださった関係者の皆さまありがとうございました!