「びわ湖の研究者になろうツアー第4弾!びわ湖の漁師さんになってみよう!~びわ湖の魚・漁業について考えてみよう!~」を開催しました!
こんにちは。NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)に所属している、京都外国語大学4年の中島杏菜(なかじま きょうな)です。
NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)は、SDGsの琵琶湖版であるMLGs(マザーレイクゴールズ)の達成を目指しています。そして、このびわ湖の研究者になろうツアーでは、MLGsゴール10の「地元も流域も学びの場に」に対するアクションとして、子ども向けの学習イベントを企画、実施しています。
3月30日(日)に滋賀県大津市の和邇漁港にて開催した「びわ湖の研究者になろうツアー第4弾!びわ湖の漁師さんになってみよう〜びわ湖の魚・漁業について考えてみよう!〜」には、子ども16名が参加してくれました。

かつてのびわ湖には固有の魚が多く生息しており、エリ漁など伝統的な漁法で獲られ、滋賀県の漁業や食文化を支えてきました。しかし、現在では漁獲量の減少や漁業従事者の減少・高齢化、湖魚を食べる機会の減少といった問題を抱えています。
今回は子どもたちと漁体験をし、湖魚料理を楽しむことで、びわ湖の豊かな魚介類、漁業が持続可能であるために何ができるかを考えるツアーを行いました。
活動内容
今回、2班に分かれて漁体験とMLGsすごろくゲームを入れ替わりで体験してもらいました。
①漁体験
フィッシャーアーキテクトの駒井健也さんに船を出していただき、実際にエリ漁の仕掛けや漁師目線でのびわ湖に関するお話をしていただきました。エリ漁とはびわ湖で行われている伝統漁法で、湖岸から沖に向かって矢印型に網を設置し、「つぼ」と呼ばれる行き止まりに誘導して捕まえる漁法です。
気温が低く少し肌寒い中でしたが、子どもたちは普段なかなか乗ることがない船に興奮してくれていました。また、漁場を見渡しながら「どのくらい魚が獲れるんですか?」など、駒井さんにどんどん質問をしていました。
船を降りた後も、どんな仕掛けを用いているか、どの時期にどんな魚が現れるか、その魚が現れると季節的にどのような意味があるかなどを教えていただきました。例えば、イサザという魚が現れてくると、春の訪れを意味するようです。
②すごろく
蓬莱の家では、子どもたちにMLGsを楽しみながら学んでもらおうと、MLGsすごろくゲームを行いました。マスにはMLGsの13個のゴールとびわ湖の魚・漁業に関連したクイズを用意しており、各ゴールに対して色々な角度から学び、考えてもらう内容にしました。
ゴールに対して自分に何が出来るのか自由回答も用意しており、子どもたちからは「ゴミを捨てないようにする。」などの回答がありました。
また、マスに書かれた文の内容に対して、自分たちの意見を言葉にしてくれる場面を時折見ることができて嬉しかったです。
③湖魚の調理体験
またびわ湖の魚を用いた調理体験を行いました。
メニューは、湖魚(ニゴイやビワマス)のキーマカレー、湖魚の出汁でごろごろ滋賀野菜のスープ、湖魚(イサザ、ハスゴ、コアユ)の天ぷら、氷魚の釜揚げでした。蓬莱の家で参加者で協力し合いながら調理しました。
駒井さんに魚のさばき方を教わり、子どもたち全員が骨切りとミンチ状にするという作業をしました。そのあとは分担してみんなで料理を作り上げました。
骨切りの時にアドバイスをし合ったり、子どもたちで役割を分担している様子があったりと、ツアーを開始した時よりも自発的に、協力的に活動してくれていたのが印象的でした。
琵琶湖環境科学研究センターの佐藤さんより、魚の美味しい揚げ方を教わり、魚のサイズごとに揚げる時間を調整するなどして、天ぷらを作りました。
自分たちで作った湖魚料理はとても美味しく、おかわりをする子や、これまで魚は苦手だったけど、びわ湖の魚は美味しいと言って食べてくれる子もいました。またキーマカレーの具材にニゴイやビワマスを用いたところ、お肉と同じくらい美味しいなどの声も聞かれました。
④グループ内発表
次に発表会として今回のツアーを通して感じたこと学んだことをグループ内で発表してもらいました。ワークシートにメモしていたことを子どもたちなりに言葉にしてもらうことで、最後にアウトプットをして1日を締めくくってもらいました。
特に印象的だったのが、「びわ湖を守るためにできることを周りに広めていきたい。」と言ってくれたことです。このツアーを通して学んだ知識だけでなく、「みんなで○○する」という繋がることの大切さを感じてくれていて嬉しかったです。
学校の部活動でびわ湖の魚について研究している子どもからは「実際に漁体験して、漁師さんからお話を聞ける貴重な体験ができて楽しかった。」
またびわ湖の魚がどれくらいの単価で、豊漁だった時の売上がどれくらいになるのかを聞いて、「漁師さんになるのもいいかも!」と言う子どもたちもいました。
そのあと、参加賞としてオリジナルカードをプレゼントしました。とても喜んでくれてよかったです。
最後に
今回のツアーで、子どもたちは船に乗り、漁業の現場を見て、びわ湖の魚を自分たちでさばいて、食べる体験ができたことをとても楽しんでくれました。またMLGsゴールの実現に向けて、びわ湖の生き物をどのように守り、どのように活かしていくかを前向きに考える機会となりました。参加してくれた子どもたちからたくさんの意見を出してくれて、私たち大学生にとっても多くの学びがあり、有意義な1日になりました。
ご協力いただいた滋賀県、マザーレイクゴールズ推進委員会、佐藤さん、駒井さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。