こんにちは。龍谷大学の戸簾です。
今回は、MLGs実践学習の一環として、5月8日(日)に体験した「田植え」の様子についてお伝えします。
今回の田植え体験は、2022年2月に掲載したマザーレイクニュース「ゲリラ炊飯で全国を笑顔に!ONESLASHの挑戦のその先は」の記事で紹介した、長浜市西浅井町で活動するONESLASHの皆様の協力のもと、実施しました。当日はお米の種類や育て方などを教えていただき、実際に田植え機に乗りながら、1日かけて2枚(50a)に苗を植えました。今回の体験で植えた苗から、10月ごろに約1500kgのお米になるということです。
田植え体験
一般的な田植え体験では、伝統的な手植えで行う場合が非常に多く、そのイメージを持たれている方も多いと思うのですが、機械化が進む現在の農家の実情を体験するべく、今回は田植え機を使った田植えを体験させていただきました。例として、現代でタイプライターを使うのではなく、PCの使い方を教えるということを言っていただき、非常に納得しました。
今回参加した大学生の中にも小学生の頃に田植え体験をしたことがある学生はいましたが、田植え機に乗ることは参加者全員が初めてで、体験が始まるときは神妙な面持ちでした。
田植え機に乗る前に、まずは、操作方法やどうやって機械が苗を植えているのかその仕組みを学びました。操作方法はハンドルやギアなど自動車と同じ部分もあり、実際に乗ってみると田植えをしやすいように工夫がされていると発見することができました。例えば、まっすぐ苗を植えやすいようにマーキング(写真にある機械の横にある線をつけるローラを用いる)をしながら田植え機が進んでいくことです。
マーキングがあることで、初心者の私達でも運転しやすく、想像していたより簡単にまっすぐ苗を植えることができました。農業の中でも田植えは非常に自動化・高度化されていることについて事前にお話を伺っていたため、その実情を体験しながら知ることができました。
また、田植えを進めていくと、途中で機械に載せられている苗が詰まってしまうことが多々ありました。その原因を聞いてみると、準備段階で行われる苗箱から苗を取り出す作業で、綺麗に並んでいた苗がずれてしまうからであると知りました。単に苗を箱から取り出すのではなく、その後の作業に影響する重要な作業であり、慎重に取り出すことが大切であることを学びました。
どれだけ自動化が進んでも、それを利用する人間の経験や技量が必要になってくる部分もわかり、今回教えていただいたONESLASHの皆さんのように毎年お米を育てている方々のスピーディーさや正確さをすごく感じました。
炊飯体験・食体験
さらに、田植え前日と田植え当日に、それぞれ「コシヒカリ」「いのちの壱」の二種類の米を釜で炊いて振る舞っていただきました。火をおこして炊き上げたお米は、つややかで一粒一粒がしっかりとしていました。
実際に食べてみると、コシヒカリは食べ慣れた味で、次の日におにぎりとして食べてもお米の旨味をしっかりと感じました。
また、いのちの壱は炊きあがって蓋を開けると、ほのかにとうもろこしやさつまいものような香りを感じ、食べてみると少し甘みを感じました。食べるだけでなく香りも楽しむことができるお米でした。
ONESLASHの皆様によると、コシヒカリは食べ慣れているということからこの地域で多くの人に好まれているようで、いのちの壱は、お米が甘いという特徴から子どもや都市部に住んでいる方が好む傾向があるということです。
MLGsとの関係性
MLGsでは生物多様性や水辺に関するゴールが設定されています。今回の体験を行い、無機的な水田(過剰な化学肥料の仕様によって微生物がいなくなってしまった田んぼ)から有機的な水田(化学肥料を最低限に減らし、すき込んだ藁や牛糞といった自然肥料を分解してくれる微生物が多い田んぼ)への再生のために、数年プランで挑まれていることがわかりました。更に、代掻きなどの田植え作業によって、有機的な栄養がびわ湖に流れ出すことで、自然環境にも良い影響を及ぼしていることを知りました。
イベントを実施してくださったONESLASHのみなさん、ありがとうございました!ONESLASHのYouTubeはこちら!