こんにちは。MLGs世話人の村上悟(NPO碧いびわ湖)です。
去る2月12日(土)に、MLGs体験型ワークショップ「お試し漁師体験―琵琶湖のダイヤモンド・氷魚(ひうお)を捕る!―」を開催しました。
氷魚(ひうお)は鮎の稚魚。氷魚漁は、琵琶湖ならではの漁で、琵琶湖の漁師にとって重要な収入源でもあるそうです。
本ワークショップでは若手漁師、駒井健也さん(志賀町漁業組合)の案内で、この氷魚漁の体験と調理体験を行いました。
「エリ漁」を実際に体験
集合はまだ暗い早朝5時。厳重に防寒対策をした参加者が漁業組合の倉庫に集いました。駒井さんがご準備くださった専用のカッパや手袋などを身につけると、気分は一気に漁師モードに。
ヘッドライトをたよりに駒井さんの舟に乗船し、定置網「エリ」に向かいます。「ツボ」と呼ばれる魚の集まる箇所に着くと、駒井さんが舟のエンジンを停めました。
ここから、駒井さんと一緒に参加者も作業をしました。網を押さえていた重しをたくし上げ、網をたぐりよせて、徐々に氷魚を一箇所にあつめます。さいごは細かい網で氷魚をすくい取って、船上の水槽へ。
一つめの「ツボ」を終えると、エリの反対側の「ツボ」に移動。そしてもう一回、同じ作業を繰り返しました。
作業の間に、空の色は刻一刻と変化し、雪を頂いた比良の山も徐々に紅く染まります。そして日の出…。
湖上の静けさ、網の重さ、氷魚の透きとおった姿、氷魚以外の湖魚のきらめき、おこぼれを狙ってやってきた鳥たち、そして湖上一面を照らす朝日…、船上でしかできない体験を、みんなで満喫しました。
漁港に戻ると、ほかの漁師さんも、次々と帰ってこられました。ここで駒井さんからの差し入れで、氷魚と地元野菜を使ったフォカッチャをいただきました。
船上での緊張もほぐれ、みんなが笑顔になりました。
調理と試食も体験
漁港からほどない距離の「蓬莱の家」に移動し、屋外デッキで調理と試食体験もしました。捕りたての氷魚の「釜揚げ」のほか、ワカサギ、コアユ、ニゴイなどの湖魚もてんぷらなどに調理していただきました。
氷魚の少し苦味のある風味とやわらかい食感は独特。ほかの湖魚も、とてもおいしくいただきました。
無農薬の大根やネギなどは、駒井さんと交流のある地元農家さんがご提供。湖の幸と里の幸を、一緒にいただくことができました。
最後の振り返りでは参加者の方から、「実際に体験できたからこそ伝えられるものがある。今日感じたことを周りの人に伝えていきたい」とのご発言も。
この日は、見るもの、聴くもの、嗅ぐもの、ふれるもの、食べるもの、すべてが「琵琶湖」でした。漁師体験で感じられたこと、それは単に「漁獲」をすることだけではなく、全身を琵琶湖にさらし、五感すべてで琵琶湖を感じる「琵琶湖との関わり方」でもあるように思います。
この日の様子は、下記の動画映像(約7分)にまとめられています。
ぜひご覧ください。(撮影・編集:松元悠さん)
MLGsワークショップ「お試し漁師体験―琵琶湖のダイヤモンド・氷魚(ひうお)を捕る!―」ダイジェスト(2022年2月12日開催)
月イチおしゃべり会も開催
さらに3月3日には、MLGs月イチおしゃべり会「琵琶湖の漁業を若手と語ろう!―“お試し漁師体験“の振り返り & おしゃべり会」を実施しました。
この会ではまず、上記の動画をみんなで鑑賞して、当日の感想を共有しました。その後、駒井さんを含めて4人の若手のみなさんと、それぞれの漁法の違いや、「漁師になりたいと思った理由」「師匠のここがすごい」「イチオシの湖魚メシ」などについて伺いました。
同じ「琵琶湖の漁業に関わる若手」でも、お一人お一人が多様で、また地域によって漁法もルールも多様であることがよくわかりました。でも「湖魚が好き」「先輩漁師が好き」「魚がいっぱいとれると嬉しい」のは、みなさん共通!ということもよくわかりました。
この日の様子も、下記動画でご覧いただけます。きっと、琵琶湖の漁業や湖魚って、今までちょっと縁遠いなぁと思っていた方も、ぐっと身近に感じられると思います。ぜひご覧ください。
MLGs月イチおしゃべり会 「琵琶湖の漁業を若手と語ろう!―“お試し漁師体験“の振り返り&おしゃべり会」(2022年3月3日開催)