開催レポート

100年後に読む琵琶湖日記マルシェ/2025年MLGsワークショップ開催レポート

2025年7月6日、えきまちテラス長浜で「100年後に読む琵琶湖日記マルシェ」が開催されました。
ワークショップ、マルシェ、トークショーの様子についてレポートします。

100年後に伝えたい琵琶湖の暮らし

2025年4月からオンラインプラットフォーム「note」で始まった「100年後に読む琵琶湖日記」。琵琶湖の漁師、琵琶湖写真家、琵琶湖ツアー会社の代表、魚の研究をする中学生、生き物博士になることを夢見る少年など約70人が交代で更新するウェブ上の交換日記です。
6日は、「100年後に読む琵琶湖日記」の書き手が集まり、琵琶湖の写真や琵琶湖の魚を使った料理などを販売するマルシェと湖魚すくいや琵琶湖の魚の塗り絵などのワークショップ、さらには琵琶湖に関するトークショーが行われました。

「100年後に読む琵琶湖日記」のメンバー

主催者で琵琶湖の漁師の駒井健也さんは「アユの漁獲量が減り、漁師としてこの現状を伝えるために、琵琶湖のほかの地域の漁師とnoteを始めることにしたら、どんどん人が増え、いろんな人が集まり、それぞれが100年後に伝えたいことを書いています。書き手の取り組みや思いを伝えるオフラインのイベントを企画しました」と話します。

琵琶湖の漁師、駒井さん

琵琶湖の魚をおいしく食べる

駒井さんはその日の朝に漁で捕獲した湖魚を網ですくう「湖魚すくい」のブースを出店。

その日に琵琶湖で獲れた魚を網ですくいます

駒井さんが獲った湖魚は、湖魚すくいだけでなく、湖北の郷土料理を提供している「Tsunagu」のブースですぐに調理して「琵琶湖の仲間たちの山椒煮」としてお弁当に入れて販売されました。

「Tsunagu」の「湖北の初夏のお弁当」
湖北の郷土料理を作ってマルシェなどに出店している「Tsunagu」のメンバー

河瀬中学・高校の科学部魚班は琵琶湖の外来魚ブラックバスを使った「ブラックバス バーガー」を販売。

河瀬中学・高校科学部魚班の部員

河瀬中学3年の武田亘平さんは「ブラックバスはおいしくて臭みもない。捨てられる魚を料理してバーガーとして提供して、みんなに興味を持ってもらいたいです」と話します。

ビワマス漁師の森さん

リュウセイ水産は、ビワマスおにぎりの炙り茶漬けを販売しました。
ビワマスフレークのおにぎりを炙って焼きおにぎりにして、冷たいお茶をかけて食べるお茶漬け

彦根市に移住してビワマス漁の漁師になった森勝昭さんは、ビワマスを一本釣りしてすぐに神経締めと血抜きをして、熟成後に燻製したビワマスのフレークも販売されています。

琵琶湖の魚を食べることで、琵琶湖の魚や生き物たちを守る大切さを実感できるマルシェでした。

琵琶湖を感じるワークショップ

ワークショップは、駒井さんのフィッシャーアーキテクトの「湖魚すくい」のほか、「はじめてのびわこの魚」の作者、黒川琉伊さんのイラストの塗り絵や、宗栄堂さんの「漆マーブリング」が行われました。

琵琶湖の魚の塗り絵
マーブリング体験をする子ども

水の中に漆を流し込み、琵琶湖のヨシで作ったヨシ紙のしおりに模様を移し取るワークショップです。

「100年後に読む琵琶湖日記」

会場では、琵琶湖写真家の辻田新也さんの「UNKNOWN LAKE 琵琶湖」の出版記念トークショーと、「100年後に読む琵琶湖日記」のメンバーによるトークショーが行われました。

琵琶湖写真家の辻田さん

「100年後に読む琵琶湖日記」というタイトルを考えたのは辻田さんです。「100年後の未来に今の琵琶湖を届けるための日記。今が良くて未来がダメとか、未来が良くて今がダメなどという前提条件を付けないタイトルにしたかった。僕は琵琶湖に元気付けられました。琵琶湖は人生の舞台。琵琶湖を誇れると自分の人生も誇れるようになると思います」と話す辻田さん。

琵琶湖の漁師である田村志帆さんは、日記について「漁師になって1年。季節によって獲れる魚が違っていて、覚えてもすぐに次の季節になる。書き残しておかないと来年再現できないので、自分のためにこの一瞬を残しています。読むことで琵琶湖に行ってみたいと思ってもらえる日記を書きたいです」と話します。

マルシェでは淡水真珠「琵琶パール」の養殖に使用されている貝「イケチョウガイ」の貝殻を使ったアクセサリーや、琵琶湖の形の水引などが販売されていました。

 琵琶パールアクセサリーを販売する澤薫さん
淡水水引工房YUENさん
「UNKNOWN LAKE 琵琶湖」、「はじめてのびわこの魚」の出版社「能美舎」(長浜市)の堀江昌史さん
トークショー「湖畔で綴る、100 年後に読む琵琶湖日記」の様子

全員が「100年後に読む琵琶湖日記」の書き手です。駒井さんは「それぞれが違った方法で琵琶湖に関わっているのがいいと思っています。1年後に本にして出版するのが目標。未来に琵琶湖の魅力を伝えていきたい」と思いを語りました。