開催レポート

「第14回 淡海の川づくりフォーラム」が開催されました

こんにちは、MLGs学生ライターの田中優衣(立命館大学)です。
今回は8月27日(土)に行われた淡海の川づくりフォーラム実行委員会と滋賀県が主催する「第14回 淡海の川づくりフォーラム」についてお伝えします。

このフォーラムでは、「川や水辺と共生する暮らし」、「川や水辺と私たちのいい関係」について普段から川や水辺についての活動を実践されている方々と公開選考方式のワークショップを行います。そして、このフォーラムは、審査ではなく「選考」で受賞団体を決めるのが特徴です!選考員と参加者の距離が近く、お互いに対話することでそれぞれの良さを見出していきます。

今回は現地会場とオンラインのハイブリッド形式で開催され、滋賀県内外の10の団体が互いに交流や議論を深めました!

はじめに、全団体による全体発表がありました。それぞれの活動について、1団体3分の持ち時間で紙芝居やポスターなどを使いながら発表が行われました。

次に、3つのテーブルに分かれてテーブル選考を行いました。各テーブルで気になるところを質問し合ったり、全体発表で伝えきれなかったところをアピールしたりと活発に意見が交わされていました。選考の最後には、各テーブルごとに「イチオシ団体」が選出されました。

午後には、ポスター選考で各団体が自分たちの活動をPRしました。参加者が「いいな」「応援したいな」と感じた活動に対して、メッセージを送り合いました。それぞれの活動をメッセージを通して讃えあう時間になりました。
なんと、三日月大造滋賀県知事も選考の様子を見に来てくださりました!

最後に、全体討論会でそれぞれの活動を再度発表した後、これからの活動や川や水辺との在り方についてディスカッションをしました。全体討論では総合コーディネーター、全体討論選考員の方々を中心に「今年いちばんキラリと光る」活動について議論を深めました!全体討論会ではグラフィックファシリテーションやホワイトボードでの議事録まとめも加わり、会場全体を巻き込んだ意見交流が行われました。

「褒め合うことでいい川を作っていく」、「川に近づかないと見えてこないこともある」、「川を通じて色々な人と出会う」と参加者それぞれが普段の川づくりの活動を見つめ直すことができました!

また、全体討論会では全団体の中からグランプリと準グランプリおよび各賞を選出しました!今回は、選出された団体の活動について少し紹介します。

グランプリ 滋賀県立大学瀧研究室

琵琶湖水系の治水や利水において大きな役割を果たす水門について、研究室、河川管理者や県庁職員、博物館職員、地域の方々で協働し教育現場で活用できる紙芝居を作成したことを報告しました。
発表では実際に紙芝居の読み聞かせを実演し、会場も一気に盛り上がりました!

準グランプリ 玉一アクアリウム

神戸市の明石川を拠点に活動する同団体は、現在神戸市絶滅危惧Bランクに指定されているヒラテテナガエビを守り、増やしていくための活動について発表しました。「私たちが川を守っていると同時に、川も私たちを守ってくれている」というメッセージがとても印象的な発表でした!

山紫水明賞 山内エコクラブ

野洲川を上流から「魔法のじゅうたん」、ドローン映像で鳥の目線になって観察したり川に生息する生き物の気持ちになって川について考えてみたりしたことについて発表しました。元気いっぱいの子供たちの発表に、会場全体が明るくなりました!

マザーレイクゴールズ賞 一般社団法人水源の里まいばら 再生可能エネルギー推進協議会

姉川上流域に位置する米原市甲賀集落を拠点に活動している同団体では、姉川の上流域を守り水源の郷を保全しています。山林の手入れや炭焼きなどで豊富な水資源を守るだけではなく、空き家を改修して移住者を呼び込むなど人口減少による集落の過疎化についても取り組んでいます。川の水の恵みと山とのつながりを感じる時間になりました!

応援の花咲いた賞 おおきにトビケラさんプロジェクト

宇治川に大量発生するトビケラは「不快害虫」と呼ばれる反面、川を綺麗にしてくれたり川が美しいという証拠であったりと価値を持つ側面も持っています。成安造形大学のメンバーで結成された「おおきにトビケラさんプロジェクト」では、トビケラの悪いイメージと良いイメージのギャップから良い情報を伝えるために冊子や漫画、ロゴの入ったグッズの制作やワークショップの開催などを行い人々の行動変容を目指しています。選考員の方々も活動について興味津々の様子でした!

 

今回のフォーラムを通して、川づくりは単に川を美しくするだけではなく川の周りの人々と繋がったり、川の新しい魅力を発見したりできるとわかりました。

川づくりフォーラムには、グランプリや準グランプリがありますがそれに選ばれることが全てではありません。一番大切なのは参加者がお互いに普段の活動を讃えあい、良さを見つけ明日からの川づくりにつなげていくことです。
この開催レポートを見ている皆さんも、是非近くの川で行われている活動に目を向けてみませんか?