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【学生ライター特集】MLGsふるさと活性化大使・清水広行さん

こんにちは。

MLGs学生ライターの佐藤(立命館大学)です。

今回は、2022年9月15日に、MLGs分野別大使「ふるさと活性化大使」に就任された、清水広行さん(ONE SLASH)にインタビューを行いました。

ONE SLASH
琵琶湖の最北端、西浅井を中心に活動する団体。自分たちを育ててくれた地元からおもしろいことを始めたいという想いで、地元を思いっきり楽しみ、地元の可能性を広げる活動をしています。(ONE SLASHホームページより:https://oneslash.jp/

西浅井で活動を始めるまで

建設業を営む家に生まれた清水さん。家があったのは小さな集落で、幼少期から名前を言うと「あ~清水さんのところの子ね」と、集落のみんなが清水さんの家のことを知っていたそうです。その中には、清水さんのおじいさんにお世話になったと涙を流して感謝を伝えてくれる人もいたと言います。一度はスノーボーダーとして世界を飛び回っていましたが、けがを機に地元である西浅井に戻ってくることにしたのは、地元から家業をなくしたくないという想いからでした。

23歳のときに地元に戻ってきた清水さんでしたが、ほとんど社会人経験はありませんでした。そこで、社会勉強のために地元から少し離れたところでサラリーマンとして働くことにします。働き始めて4年ほどたったとき、「ビジネスは本質を見失わないことが大切。本質を見失わなければ何でもできる。」と気づき、事業をおこそうと計画を始めます。家業を継ぐことは決めていたので、地元で何か面白いことができないかと、仲間を集めます。そしてそれぞれのメンバーのスキルを活かして、アパレル、不動産、農業など幅広い事業を展開しようと考えました。

直面した地元の現状

30歳になり、事業を始めようと再び地元に戻ってきた清水さんでしたが、地元の春祭りの寂しさをみてびっくりします。小さい頃は和気あいあいと行われていた祭りが、今では出店がゼロで神輿も曇りで中止してしまい活気もない。その現状を見て、これは大人たちがもっと楽しんでやらないといけないと危機感を覚えました。

2019年に長浜市西浅井町で行われたイベントの様子

地域が抱える課題として子どもたちが大きくなったときに地元から出ていってしまうことが言われています。それは、活気がない地元を見て地元がおもしろくないと思い、愛着がなくなると出ていくのは当たり前です。また、地元には仕事がないとも言われますが、ないならつくればいい。自分たちが面白い体験をして、それが仕事としても成り立つことを証明していきたい、そのような強い想いを持ったそうです。

活動を始めて気づいたこと

活動をしている中で誕生した「RICE IS COMEDY(米作りは喜劇だ)」というプロジェクト。農業はネガティブなイメージが先行してしまっていますが、プロジェクト名の通り、米作りをポジティブにとらえて取り組んでおられます。このプロジェクトを始めたことで、地域の農家の人たちも「若者には負けてられん」と元気に農業に取り組んでいるそうです。自分たちがポジティブに取り組むことで、周りの人たちも農業に対してのイメージが変わり、農業へ取り組むことへの自己肯定感があがっていることを感じておられるそうです。

稲刈りイベントで話す清水さん

清水さんとMLGs ―ふるさと活性化大使になってー

RICE IS COMEDYの活動をしていく中で出会ったのがMLGsです。清水さんは、MLGsは「本質的」なところを見据えているといいます。今までは人間都合の施策が多い中で、環境都合で打ち出したこの取り組みは世界にも誇れます。その中でも、10年分蓄積された「びわ湖との約束」がもとになっている点がMLGsの凄さです。びわ湖との約束は、琵琶湖に関わる幅広い人たちが、琵琶湖のために自分たちができることを約束としてまとめたものです。つまり、MLGsはみんながそれぞれ考えたびわ湖との約束を守っていくことで、目標が達成されていくということになります。さらに、MLGsは経済・ビジネスの視点からも幅広いプラットフォームとしての可能性があります。環境+三方良しの考え方で環境経済を盛り上げていく地盤になっていると感じておられるそうです。

MLGsのイベントに登壇した清水さん

清水さんは、ふるさと活性化大使に任命されたことで、これまで以上に様々な地域にも呼ばれることが増え、活動の幅が広がったと言います。また、ふるさと活性化大使として話すことで、自分自身の言葉にも説得力が増し、より多くの人にMLGsについて関心をもって聞いてもらえるようになったそうです。ふるさと活性化大使として、MLGsのすばらしさをより多くの人に広めていき、実業家としてビジネスの視点も取り入れてさらなる発展に寄与したいと話されました。

西浅井を拠点に活動をしている清水さんですが、自分たちの活動が、地域が挑戦するロールモデルになり、多くの人に地域の面白さや可能性を感じてもらいたいと活動を広めています。「日本は世界にとっての地方である」、活動で培ってきたノウハウやMLGsを足掛かりにして、日本全国に地域の底力を伝えていきたいと熱い想いを話していただきました。

取材後記

今までもイベントなどでご一緒して清水さんは元気でパワフルというイメージがありましたが、今回お話を聞いて、その背景にある経験や想い、挑戦への貪欲さを感じることができました。清水さんとお話していると、たくさんのわくわくが溢れてきて、地域への愛を感じることができました。ふるさと活性化大使として、MLGsや滋賀県、さらにはびわ湖の魅力を発信してほしいです。