10月26日(日)、近江八幡市円山町にて特定非営利活動法人まるよし主催の「第4回 5感で楽しむ ヨシフェス」が開催されました。よし笛コンサート、ヨシをつかった工作体験、茅葺き屋根と葦舟の展示・体験、ヨシうどん屋台など、ヨシの魅力をたっぷり堪能できる空間を多くの人が楽しんでいました。
イベントの様子について紹介します。
アットホームな雰囲気の漂う「ヨシフェス」会場
今回で4回目を迎えたヨシフェス。始まったきっかけは、特定非営利活動法人まるよし理事長の宮尾陽介さんと当時の滋賀県立大学の大学生との会話でした。
「ヨシも、花が咲きます。実は、ヨシの花言葉は『音楽』です。年々、よし笛の知名度も高まっています。ヨシに触れたりよし笛の音色を聴いたりするイベントを、ここ、円山で開催したいとの想いから、ヨシフェス開催に向けて動き出しました」と話してくれた宮尾さん。
さらに宮尾さんは「外部から人が来て一緒に活動してくれることも嬉しい。そして、丸山町のみんなが手伝ってくれていることも、僕の中で実は一番嬉しいポイントです」と教えてくれました。
その言葉通り、幅広い年齢層の方が集うイベントでした。
五感のすべてでヨシを感じた1日
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滋賀県立大学近江楽座の「竹林GAKU」。普段は、滋賀県立大学の目の前にある、犬上川の放置竹林の整備活動などを行っている団体です。
今回のヨシフェスでは、手作りの竹鉄砲で射的コーナーを提供。
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うまく的に当てると、バームクーヘンやマシュマロなどバーベキューの具材がもらえます。
隣のブースに出店していたのは、“エコでスローな夜を” をキャッチコピーに掲げる滋賀県立大学近江楽座「あかりんちゅ」。寺院から集めた廃ろうを再利用したオリジナルキャンドルの販売や、キャンドルナイトなどを行う団体です。
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今回は「竹林GAKU」とのコラボにより、キャンドルのホルダーに放置竹林の竹を使用。好きな竹を選び、自分の好きな色や形のろうを詰めていきます。
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最後にろうを入れてもらい固まったら完成です。つくったキャンドルは、持ち帰れます。
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形を選ぶのも楽しみのひとつ。ハート型がかわいいと好評
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リサイクルキャンドルに火を灯すと幻想的な雰囲気に
さらに、ヨシペンにインクをつけて絵を描いたり、オリジナル缶バッチをつくったりする体験コーナーもありました。
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自由に色を塗って、自分だけの作品を作れます
ほかにも、まるやまの自然と文化を守る会の方々によるヒンメリワークショップや紙漉き体験など盛りだくさん。
紙漉き体験の様子
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ヨシを使ったヒンメリ作りを体験中
ヒンメリとは、北欧伝統の飾りのことです。一般的には麦わらに糸を通して作るモビールを指しますが、ヨシフェスでは、もちろんヨシを使って作ります。丁寧に作り方を教えてもらえるため、「初めて作る」という方も、楽しみながら作成されていました。
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屋台では、円山町にお住まいの方々が「ヨシうどん」を販売されていました。
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麺にヨシの葉を粉末にしたものが練り込まれており、色がとても綺麗です。爽やかな風味で食べやすく、お出汁との相性も抜群。
また、関西・大阪万博のパピリオン「EARTH MART(小山館)」には、円山のヨシが使用されることが決定しています。
会場には、EARTH MARTに使用するヨシで作った丸立てや、EARTH MARTと同じ段葺き屋根の小屋が展示されており、多くの人が眺めていました。
ヨシの楽しみ方は、まだまだ他にもたくさん。
近江八幡市立島小学校3年生のモニュメント。夕暮れにはライトアップも行われました。
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葦舟をお披露目してくれた宮尾さん
これから5年、10年とヨシフェスを続けたいと語ってくれた宮尾さん。最後に、来年のイベントについてメッセージをいただきました。
「来年のヨシフェスに向けて、ヨシストランドボードを準備しています。ヨシストランドボード とは、5cm程度に粉砕したヨシを積み重ねてプレスし、約1cmの厚みにして作る板状の製品。主に家の構造材や雑貨などに使う想定です。ヨシを大量に消費するための出口としての、販路拡大を目指します。
同時に、ヨシの魅力や可能性についての発信も継続します。例えば、ヨシが食べられると知っている方は多くありません。ヨシの新芽は、まるでタケノコのよう。生で食べてもほんのり甘くておいしいです。こんなふうに、まだまだ知られていないヨシの魅力を発信し続けたいです。
興味を持った方は、毎年2月ごろに開催しているヨシ刈り体験や、第5回ヨシフェスに、ぜひ参加してみてください」