MLGsニュース

一人ひとりの持続可能な取り組みーアインズMLGs大賞ー(マザーレイクニュース)

MLGs学生WEBライターの物部麻唯(滋賀県立守山高等学校3年)です。今回はMLGsに取り組む、アインズ株式会社 人事部 周防 安彦さんにお話を伺ってきました。(取材日:2022年3月23日)

「コミュニケーション・プラットフォーム・カンパニーとして、あらゆるコミュニケーション手法を通じて日本・世界の社会が数多くかかえている課題解決に寄与したい」

そんな想いでアインズは持続可能な開発目標達成に向けて【SDGs】宣言をします。

人口減少や高齢化、貧困や格差社会、気候変動や大災害。いま日本で、世界で、さまざまな社会問題が顕在化しています。この課題解決のために私たちは何ができるのか。印刷をはじめ、あらゆるメディア展開する当社の事業活動の中で持続可能な開発目標に賛同し、社員一人ひとりが社会に貢献していきます。(アインズHPより引用)

MLGs大賞とは

アインズ株式会社では、2022年に「MLGs大賞」を実施した。
MLGs大賞とは、アインズ株式会社が10月から3月にかけてアインズの社員を対象として行った参加型イベントである。

従業員全員がMLGsにまつわる個人目標を設定し、その達成に向けて起こしたアクションを専用の用紙に書いて掲示する。

ステップ1 MLGsの概念を学ぶ(社内研修)
ステップ2 MLGs「13の目標」から自分の目標を決める(目標カード)
ステップ3 MLGsとSDGs「17の目標」をつなげる(目標カード)
ステップ4 自分の目標に対しての取り組みを行う
ステップ5 自分の取り組みを発表して社内に広める(発表会)イントラで掲示

『持続可能な』アクションのために

SDGsやMLGsのようなゴールの目標達成というと、難しく考えてしまい現実的でなくなることが多いが、MLGsの「Think globally, act locally」の考え方をもとにすることで、社員一人一人が無理なく続けられる「持続可能な」目標を立てることにしたという。

また印刷会社ならではの作戦として、MLGsのゴールとSDGsのゴールのシールを作成し、カードに貼ることで、自分のアクションとの繋がりを「見える化」し、実感を得られるようになった。

さらに、そのカードを普段目にするところに掲示することで、そのアクションを習慣化することができ、持続可能性を向上させた。

まずは社内から変える意識を

企業が行うSDGsや環境問題への取り組みといえば、事業として対外的に行うものを想像する方も多いのではないか。では、なぜアインズでは社内の社員を対象としたイベントを行ったのだろう。

アインズ株式会社では2017年に「SDGs宣言」を掲げ、SDGsを社外に向けてに取り組んできた。しかしそれはあくまで概念であり、社員にとって「だから、何?」という状態だったと周防さんは言う。

SDGsやMLGsなどの持続可能な開発目標は、突発的に大きな行いをするのではなく、普段の生活から気をつけないと解決できないものばかりだ。だからこそ、企業が良いことを言っていても、従業員が変わらないと成し得ないと感じたそうだ。そんなとき、当時の社長が県職員によるMLGsの講義に参加し、「Think globally, act locally」の考え方から「開発目標の達成を個人に繋げられるのでは」と考えたことがこのイベント発足につながった。

「今は一人一人のアクションですが、これが家族や子どもに広まったら、さらに良いのではないかと思います」と、にこやかに語った。

子どもの身近にSDGsを

「こういうものも作っているんですけれど・・・」

そう言って取り出したのは一冊の絵本。

県内屈指の印刷会社であるアインズ株式会社では、SDGsについて書かれた絵本を株式会社サンリオのハローキティと一緒に学べる絵本を制作した。一見するととても可愛らしいイラストのため”所詮”絵本と思われそうなほどだ。

しかし、この絵本を開いて読んでみると、その内容は、公益社団法人日本ユニセフ協会、一般社団法人エシカル協会に監修を受け制作されていることもあり、子どもたちにもわかりやすい内容になっている。

また、紫外線を当てることで絵柄が浮かび上がるインクを使用するなど、印刷会社だからこその遊び心もあり、子どもが手に取りやすい一冊だ。

小さい頃は絵を楽しみ、学校に行く頃には内容も楽しめるようになるーーーそんな、長く付き合える絵本を目指している。

会社としても持続可能なアクションを

取材の最後に、アインズ株式会社の今後の展望を聞くと、「来年度以降もMLGs大賞を実施し、MLGs、SDGsに積極的に取り組んでいきたい」と周防さんは言う。

今年初めて実施したMLGs大賞は、想像以上の反響があった。来年度は、このイベントでの経験を活かしてアインズ内で新たなチームを組み、他の企業や個人のお客様にプロセスを発信したいとも考えているそうだ。

どこの企業でも最初の一歩はなかなか踏み出せないもの。だからこそ、その第一歩を支援しようと試みるアインズ株式会社の、今後益々の活躍に注目したい。