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ヨシ原から切り拓く可能性ーまるやまの自然と文化を守る会が見つめる未来(マザーレイクニュース)

MLGs学生ライターの田中優衣(立命館守山高等学校)です。今回は近江八幡市円山町でヨシ原の保全に取り組む「まるやまの自然と文化を守る会」のヨシ刈り体験に参加、メンバーの宮尾陽介さんにインタビューさせて頂きました。(2022年2月27日)

琵琶湖の水環境だけではなく、古くから周辺住民の生活に深く関わってきたヨシ。特に近江八幡市円山町には広大なヨシ原が広がっており、その環境と文化を次世代に残すための取り組みが積極的に行われている。
その中でも、2018年に発足したまるやまの自然と文化を守る会は、ヨシの魅力を地域内外に発信する活動をされている。
2022年2月27日には活動の一環としてヨシ刈り体験が実施され、子供から大人まで66名が参加した。

まるやまの自然と文化を守る会とは

ヨシ群落と水郷に囲まれた近江八幡市・円山町を拠点に活動する同団体は、宮尾さんをはじめ円山町で生まれ育った人、興味がある人などのヨシ原に繋がりのある人たちで組織されている。

ヨシを保全するだけではなく、ヨシの魅力を沢山の人々に知ってもらうためのPR活動やエコツーリズムのアクションを行なっている。琵琶湖汽船のクルーズツアーの中でヨシを使った工作イベントを企画したり、滋賀県立大学の学生たちと「ヨシフェス」を実施したりするなど、地域の多種多様な主体と連携した取り組みでヨシ原を盛り上げている。

今回のヨシ刈り体験では、参加者が刈り取ったヨシを最後に大きな丸立てにして記念撮影を行なった。このことについて「思わず撮りたくなるような丸立てにした。もっと色んな人にヨシの美しさを伝えたい」と宮尾さんは語る。

ヨシ原から見つめるMLGs

宮尾さんはヨシ産業について「発展すればするほど、刈り取られたら刈り取られたほど、ヨシ原だけでなくその周辺の自然も美しくなっていく」と話す。ヨシを刈り取ることで水環境が美しくなり、生態系の保護にも繋がる。刈り取られたヨシはよしずや文具などの製品に加工され、私たちの生活で使われてるヨシを中心として循環するこのサイクルを加速させていくことで、ヨシ原を中心とした自然環境がより豊かなものになるのだ。

その一方で、ライフスタイルの変化などによって、広大なヨシ原のヨシを刈り取ってもモノとして活用されるヨシが少なくなっている現状もある。

そのような中、地域の人とアイデアを出し合って新しい挑戦をしていきたいという。「近江八幡市の地域おこし協力隊の方が”ヨシ舟”はどうかと話していた。舟をつくって水に浮かべる実験も含めて興味のある人を巻き込めればヨシの新しいPRにつながるのでは」と宮尾さんは言う。

地域の人やそこから生まれる斬新なアイデアでヨシ原に新しいムーブメントが巻き起こる日も、そう遠くないだろう。

好きだからこそ守りたい

これからの展望を伺うと、「ヨシのアトリエや加工所、博物館や地域住民の集会所を合わせた”ヨシの館”を作りたい」と宮尾さんは言う。
地域の人々と共に円山町のヨシ原を守り、素晴らしさを発信する方法を日々追い求めている。

「この風景が好きだから、これからもヨシ原を守っていきたい」。宮尾さんやまるやまの自然と文化を守る会の熱い想いが、ヨシ原の新たな可能性を地域と共に切り拓こうとしている。

編集後記

今回の取材では、まるやまの自然と文化を守る会の活動として行われたヨシ刈り体験にも参加させて頂きました。
最初は、一面に生い茂るヨシを見て全て刈り取れるのか少し心配だったのですが、参加者と協力し合い約2時間で一面が見渡せるほどまで美しく刈り取ることができました。

また、ヨシ刈り終了後はよし笛のミニコンサートが行われ、よし笛の優しく、どこか懐かしい音色に心が癒されました。

まるやまの自然と文化を守る会はヨシ刈りだけではなく、様々なワークショップやイベントも開催しています。機会があれば、皆さんも是非参加してヨシの魅力やまるやまの自然と文化を守る会の想いに触れてみてください!

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