こんにちは。NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)に所属している、大和大学2年の北谷ひなた(きたたに ひなた)です。
NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)は、SDGsの琵琶湖版であるMLGs(マザーレイクゴールズ)の達成を目指しています。そして、このびわ湖の研究者になろうツアーでは、MLGsゴール10の「地元も流域も学びの場に」に対するアクションとして、子ども向けの学習イベントを企画、実施しています。
8月25日(金)に滋賀県高島市にて開催した「びわ湖の研究者になろうツアー第3弾!水源の森探検隊in 高島~水と人の暮らしについて考えてみよう!~」には、子ども7名が参加してくれました。
私たちはいつでも綺麗な水を飲めますが、その水の基を辿ると、森に辿り着き、川、湖へと流れ、私たちの元に届けられます。今回のツアーは子ども達と一緒に、水や生き物と触れ合い、森と川、暮らしの繋がりを知る機会になるツアーになりました。
いよいよ活動開始!まずはアイスブレイク
まずは、針江生水の郷に向かうバスの中で、自己紹介とアイスブレイクを行いました。
終始明るい雰囲気で、初対面の子ども達同士で笑顔で話す姿が多くみられました。到着に近づくにつれ、「到着時間をピタリと当てようゲーム」も盛り上がり、最後まで楽しく過ごすことができました。
現地ガイドの方によるかばたウォーク
針江生水の郷に到着後、現地のガイドの方に”かばた(川端)”のお話を聞きました。
この地域には、綺麗な湧き水があり、生水(しょうず)と呼ばれながら、大切に利用されてきました。湧き水や住宅街を巡る水路を生活用水として利用する仕組みが”かばた(川端)”と呼ばれています。
「かばたガイドウォーク」では、子ども達と一緒に針江地域のかばたを巡りながら、ガイドの方より説明をいただきました。
「家同士が水路で繋がっているため、地域全体で水を綺麗に使おうと、この地域の方たちは意識している」など、現地のガイドならではの貴重なお話を聞くことができました。子どもたちも、暑い中メモを取りながら真剣に聞いていました。かばたの水は想像していたよりもずっと冷たく、実際に飲む湧き水はかばたごとに味が少し違っていました。
川遊びで自然を感じました
ガイドウォークの後は、川で、水遊びと生き物観察を行いました。子どもたちは川に入り、網を使って魚を捕まえたり、捕まえた魚を観察したりしました。びしょびしょになりながら全力で楽しむ子どもたちを見て、学生も自然と笑顔が溢れていました。
川遊びの後は、再びバスに乗り、森林公園くつきの森に移動しました。昼食は、森林に囲まれながらピクニックのような形で食べました。お弁当は、地元の食材を使用したこだわりのもので、高島の豊かな自然で育った食材を存分に味わいました。
わくわく!森の体験教室
お弁当を食べた後は、午前中に学習したかばたの水がどこから来ているのかを学ぶため、「森の探検教室」を行いました。ここからはくつきの森の職員である長澤由香里さん、加藤みゆきさんにも加わって頂き、「森林の持つ保水力」や「水が地層の中をどう移動するのか」などについて学習しました。
実際に森林へと出向き、腐葉土・木の根の役割・湧き水の仕組みなどについてクイズを交えながら説明しました。
子ども達は実際に木の根が張っている様子や、水がしたたっている岩場などを見て、「本当に雨って土に染み込んでいるんだ!」といった声があがり、雨が土に染み込み、湧き水になるという仕組みを知識としてだけでなく、感覚的に理解できたようでした。
また、たくさんの虫などに興味津々で、職員の方々に熱心に質問している場面が印象的でした。
実験!森の仕組みを理解しよう
森の体験教室の後は、ろ過貯留実験を行いました。実験の説明として、森の地層について紹介しました。地層がどのような順番で重なっているかをクイズを交えた時には、子ども達は積極的に手を挙げて答えてくれました。
実験は2種類行いました。
1つ目はペットボトルを用いて山の地層と地下水の通り道を再現する実験でした。あらかじめ不透水層である粘土を底に詰めたペットボトルを配り、子どもたちには、下から砂利、赤玉土、腐葉土を森の地層に見立てて入れてもらいました。各地層の3か所にストローを通した穴を開けており、ペットボトルに水(雨)を注いでどの層から水が出てくるか実験してもらいました。
子どもたちが実験を行っている様子
2つ目は、雨が降った時の森の貯留の仕組みを確認する実験でした。
2つのペットボトルに、それぞれ砂利と腐葉土を入れ、上から水(雨)を注いで、出てくる水の量や早さを比較実験しました。砂利が水を流す様子と腐葉土が水を多く貯える様子に、子ども達も森の貯留の働きの凄さを理解している様子でした。
熱心に実験を見る子どもたち
子どもたちによる発表
実験の後は、発表会として1日を通しての感想や気づいたことを、画用紙や模造紙にまとめて発表してもらう時間を設けました。
発表では、其々の子ども達が気付いた事を色んな視点で紹介してくれました。
例えば模造紙に「里山の概要」「かばた」「森林の働き」「楽しかったこと」についてイラストを並べて、「理想の里山」を発表してくれた子どももいました。その模造紙は子どもが作ったとは思えないほどクオリティが高く、1日を通して色んなことを学んでくれたのだと嬉しくなりました。
最後は、本イベントでお世話になった3人の方から、総括のコメントをいただきました。くつきの森の職員である長澤さんからは「またくつきの森に遊びに来てください」、加藤さんからは「この体験をお家に持って帰って役立ててください」、琵琶湖環境科学研究センターの職員であり、「びわ湖の研究者」である佐藤祐一さんからは「森林と水、琵琶湖の繋がりというものを実験を通して理解できたと思います。これからも探求心を大事にして過ごしてください」とそれぞれコメントをいただき、本イベントは無事に終了しました。
さいごに
今回のイベントを通して、私たちがイベントを行う上で目指している、子どもたちの積極的に学ぶ姿勢と、型にとらわれない自由な発想の手助けができたことを、嬉しく思っています。子ども達の温度計を持参して湧き水の温度を測ったり、ガイドの方に気になったことを質問したりと、自分から学びを得ようとする姿が印象に残っています。
また、子どもたちの独特な目の付け所からは、そういう考え方もあるのかと視野が広がりました。このように、自然や環境について少しでも興味をもって、真剣に学ぶ子どもが増えるよう、これからもこの活動に携わっていきたいと改めて感じました。
今回多大なご協力をいただきました、滋賀県庁、マザーレイクゴールズ推進委員会の皆様、誠にありがとうございました。