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『ほっといたらあかんやん!第20回大阪湾フォーラム 話しまっせ大阪湾!』に参加しました!

こんにちは。
MLGsライターの田邊有香(IVUSA:NPO法人国際ボランティア学生協会)です。

3月10日に大阪府の大阪市立自然史博物館にて、『ほっといたらあかんやん!第20回大阪湾フォーラム 話しまっせ大阪湾!』が開催されました。

私は第4部の「これからの大阪湾」にて、MLGsライターとしてMLGs(マザーレイクゴールズ)の紹介とMLGsに関連するIVUSAの活動紹介をさせて頂きました。その発表を含めた、フォーラム参加の様子をレポートします。

大阪湾フォーラムは、大阪湾沿岸で活動する市民や団体の情報交換を目的として、2009年2月に大阪市立自然史博物館で、「第1回大阪湾フォーラム」が開催され、19年間にわたり毎年開催されています。そして節目となる第20回目のフォーラムでは、20年の間に大きく変わった大阪湾の環境・いきもの・なりわい・活動について情報を共有し、これからの大阪湾について考えました。また、大阪湾Years2022-2023ファイナルイベント(シンポジウム)と連携し、大阪湾再生行動計画第3期の活動に繫ぐためにも、次世代が主体となった様々な活動団体の意見を交え、これからの大阪湾を考え、活動の幅を広げる新たな一歩になりました。私も滋賀県で活動をする身として、大阪湾と琵琶湖の繋がりを伝えました。

第20回大阪湾フォーラムは13時から開始し、第1部のオープニングでは、国土交通省近畿地方整備局神戸港湾空港技術調査事務所長の山本邦夫さんの挨拶と共に開幕しました。「楽しく面白く」というモットーの通り、笑いを交えた楽しいオープニングでした。

オープニングの後は、第2部で「何が変わった大阪湾?」のトークがあり、大阪公立大学(生態系工学研究会)をはじめ、大阪市立自然史博物館、阪南市西鳥取漁協、きしわだ自然資料館の方々から大阪湾を取り巻く環境の変化のお話や、大阪湾の生き物調査や水産業、チリメンモンスターについてのお話がありました。これらのお話で、大阪湾には多様な生き物や水産業があるということが分かりました。個人的に印象に残ったのは、チリメンモンスターのお話です。私はこのフォーラムでチリメンモンスターの存在を知りましたが、チリメンモンスター、通称チリモンの歴史は20年あり、生物分類の教材として中学校1年の理科の教科書にも採用されているそうです。ちりめんじゃこの中に紛れた魚介類達という一見環境や教育に関係がなさそうな資源を、豊かな海の生態系を伝え、魚食推進に繋げる教育教材に活用している仕組みが面白いなと感じました。


生き物調査の発表


チリモンの発表

トークの後は、第3部で休憩時間を兼ねたポスター展示がありました。兵庫から来た高校生による山と海との繋がりを考える展示や、自然災害伝承碑により津波・高潮・洪水の歴史を伝え、地域住民の防災意識向上に繫げる展示など、様々な展示があり、各団体がポスターの前で説明をし、各々質問を交わしていました。滋賀県からもMLGs(マザーレイクゴールズ)の展示を行っており、多くの方々に滋賀県でのMLGsの取組みや魅力を知ってもらうことが出来たと思います。


高校生によるポスター展示


MLGsのポスター展示

ポスター展示の後は、第4部でディスカッション「これからの大阪湾」がありました。大阪湾再生3期計画についてのお話や、令和の里海づくり活動についてのお話、大学生による活動発信、災害伝承についてのお話を聞きました。特に印象に残っているのは、災害伝承についてのお話です。災害伝承碑のイベントの際に、イベント参加者に対して「いま地震が発生し、海から津波が来ます。どちらが海ですか?」と質問した時、すぐに海の方向を指させた人が1人もいなかったというお話を聞いてとても驚きました。そのお話とともに、やはり災害というものは日常的に危機感をもって意識する必要があり、その危機感を伝えるものが災害伝承であると知りました。また、全国には災害伝承碑が多く存在し、地図記号にもなっていることを初めて知りました。私もこれから、行く先々で災害伝承碑を探してみたいと思いました。


令和の里海づくり活動


大学生による活動発信


リコラボさん


災害伝承碑の発表

そしてこの第4部の最後に、私からMLGsの紹介と、MLGsに関連したIVUSAの活動についての話をさせて頂きました。IVUSAでも海ゴミプロジェクトを全国各地で実施しており、大阪湾の海ゴミを減らそうと大阪環状線一周清掃大作戦や上流の琵琶湖で琵琶湖湖岸清掃活動を実施していることを紹介しました。また、”びわ湖の研究者になろうツアー”という子ども向けの環境学習イベントについても紹介し、浄水場、水と生き物、水と暮らしなどのテーマで開催する中で、子ども達が身近な琵琶湖の山、川、湖の水、暮らし、生き物の繋がりに探究心、好奇心を持っており、今後淀川や大阪湾などへの繋がりにも目を向けていく事への期待を話しました。


MLGs発表


琵琶湖湖岸清掃活動の発表


”びわ湖の研究者になろうツアー”の発表

全ての発表が終了したあと、意見交換の時間があり、大阪湾再生行動計画第3期に向けて、浅瀬を造成することで、子どもが遊びやすく、アマモなどの海藻が育ち、魚が集まる釣り場になるような、親しみやすい大阪湾を作ってほしいといった意見等がありました。

そして最後に、大阪湾見守りネット代表の中西敬さんから関係者への御礼と、持続可能な大阪湾の目標であるSOGs(Sustainable Osaka-Bay Goals)達成に向けて、今後も交流を深めていきましょうという誓いの挨拶があり、大阪湾フォーラムは閉会しました。

滋賀県民である私にとって、大阪湾の歴史、生態系、漁業、災害伝承や大阪湾再生に向けた取組みの話を聞くのは、とても新鮮で興味深く、大阪湾と琵琶湖の繋がり、関わりも沢山感じることができました。私の友人や後輩達、子ども達にも、大阪湾の話や、琵琶湖との繋がりを伝え、今後の活動に活かしていきたいと思いました。このフォーラムに参加することで出来た繋がりを大切にし、これからの大阪湾と琵琶湖の繋がりをより活発なものにしていきたいです。

今回は大変貴重な機会を頂き、関係者の皆様には深く御礼申し上げます。

<ほっといたらあかんやん!第20回大阪湾フォーラム 話しまっせ 大阪湾!>
主催: 第20回大阪湾フォーラム実行委員会(大阪湾見守りネット、大阪湾再生推進会議、大阪湾環境保全協議会、国土交通省近畿地方整備局神戸港湾空港技術調査事務所)
共催:大阪市立自然史博物館