こんにちは。
MLGs学生ライターの稲垣虹哉(立命館大学)です。
今回は、9月18日(月)に行われた、MLGsみんなのBIWAKO会議/COP2 第3分科会「びわ湖のプラごみ問題、何が問題?」の様子についてご紹介します。
開会式・全体会の様子はこちら
第3分科会「びわ湖のプラごみ問題、何が問題?」とは
第3分科会は、琵琶湖が抱えているプラスチックごみ問題を皮切りに、プラごみ問題は一体何が原因で起こっているのか、そして私たちにできることは何かということについてディスカッションするという内容でした。
登壇者は、佐藤祐一さん(琵琶湖環境化学研究センター・MLGs案内人代表)、原田禎夫さん(同志社大学経済学部)、南村多津恵さん(くうのるくらすの創造舎)、桐畑孝佑さん(滋賀県庁循環社会推進課)の合計四名でした。
会場にはたくさんの方が参加されていました
まず、佐藤さんは、プラスチックごみは陸から海へ流れていくもので、その約94%が海底へ沈んでいるという研究結果を紹介、今私たちが確認できるプラごみはごく僅かであることを指摘しました。
次いで佐藤さんは、鍵と鍵穴を例に、「課題の形を考えて、それにあった対応策を皆さんと考えたい」と話しました。
プラごみ問題に対して私たちには何ができるのか
分科会の中では、登壇者の方が自身の経験を踏まえながら、プラごみ問題には他にどのような問題が関係しているのか見出そうとしました。
出された意見はホワイトボードにまとめられました
原田さんの研究者としての知見・南村さんの市民としての体験談・桐村さんから話された、コストや行政面での問題点など、異なる視点からの意見が集約されました。
原田さんからは、亀岡市やイタリアなど、他の地域での実例が多く話されました
自身の経験を話す南村さん
その結果、「行政は自分たちでなんとかしようという気持ちが先行してしまい、市民は行政に対して批判的な思いを持ってしまう。市民自らが行動することで、それが行政のバックアップにもつながる。市民同士のつながり、協力こそが大事なんだ」という考えが出来上がりました。
日本で行政がゴミ規制を強めるのは簡単ではないと指摘する桐畑さん
また、最後には、参加者からの質問に対して登壇者が答えるというデスカッションが行われ、非常に有意義な時間となりました。
参加者からの感想は
参加者の方からは「非常にためになりました。いろんな立場の人の意見が聞けてよかったです」「この分科会で、コミュニティや助け合いの気持ちが大事だと感じました」という声がありました。
取材後記
第3分科会では、琵琶湖で問題視されているプラスチックごみについて、さまざまな意見が交わされました。
この分科会で特徴的なのは、学術分野からは、琵琶湖環境化学研究センターの佐藤さん、同志社大学の原田さん、市民の立場からはくうのるくらすの創造舎の南村さん、行政からは滋賀県庁循環社会推進課の桐畑さんといったように、学術・市民・行政の全く異なる3分野からの意見が集約できたことにあると思います。
この分科会では、海外や他の都市の取り組みにも触れながら、「じゃあ自分たちには何ができるのか」ということを話し合っていたことが印象的でした。
私自身も、「自分はごみ問題に対して一体何ができるだろうか」と考える良い機会になりました。
皆さんも、ご自身の暮らすまちではごみ問題に対してどんな取り組みが行なわれているのか、これを機に調べてみてはいかがでしょうか。
当日の議論の様子など、ご興味のある人はぜひ当日の動画をご覧ください。