2024年11月13日(水)~11月16日(土)の4日間、近鉄百貨店草津店2階「アカリスポット」にて「こトモノ体験基地」の大塚佐緒里さん主催「イケチョウガイの時計ボックスづくり~アオバナ押し花を添えて~」が開催されました。
ワークショップ当日の様子について、レポートします。
琵琶湖の固有種イケチョウガイに新しい役目を
琵琶湖の固有種イケチョウガイは、琵琶パールと呼ばれる淡水真珠の養殖に使用されている貝です。
真珠の養殖を行っている近江八幡市の齋木産業を訪れた大塚さんは、真珠を取り出し役目を終えたイケチョウガイの貝殻が廃棄されている様子を見て、使い道を模索。「新しい時を刻ませたい」とひらめいたことから、今回のワークショップ開催となりました。
複数のイケチョウガイの貝殻から、参加者は好きな形を選択。特別に一粒パール付きの貝殻も用意されていました。
好きなデザインの文字盤と針を選び、貝殻に取り付けていきます。さらに、オリジナルの時計ボックスをデザインできるようにと、「アオバナ」の押し花やビーチグラス、チャーム、シールなどさまざまな種類のアイテムが用意されていました。

用意されているパーツの数も多く、どれを選ぼうか、どこに置こうかと悩む参加者さんの姿も。
全体のバランスや色、組み合わせなど、いろいろと悩みながらもみなさん楽しそうに作業を進められていました。
筆ペンを使って好きな文字をシートに書いて貼ることで、文字や日付も簡単に入れられます。ワークショップの当日が、息子さんの誕生日と話してくれた女性は、今日の日付を記念に入れていました。

参加者の方同士のおしゃべりも弾み、イベントスペースでは、和気あいあいとした雰囲気が漂っていました。

参加者の1人、「atelier Culala」のクララさんは「普段から琵琶パールを使ったアクセサリーを作っていますが、貝殻を使う発想はありませんでした。難しい作業もなく、楽しみながら作れました。完成した時計は、家に飾ります」と話します。
他の参加者の方からも「イケチョウガイのことを初めて知りました。貝の形もいろいろあって、選ぶところから楽しかった」「作っているうちに、さらに愛着が湧きますね」などの感想がありました。
びわ湖の良さをみんなで語り継ごう!
今年度よりMLGsの案内人を務めている大塚さん。普段から、びわ湖の恵みから生まれるアオバナやヨシ、ハスなどを用いたワークショップや小学校出前講座などを積極的に実施。
会場には、学校で育てたアオバナを使用し、生徒がアオバナ染めで作った「おまもり」も展示されていました。
最後に大塚さんより、ワークショップ開催への思いとメッセージをいただきました。
「びわ湖の淡水真珠を育てるのは、海の真珠以上に時間がかかります。生産者さんから話を聞くと、母貝を育てるまでに3年、核を入れてさらに3年かけて商品となる大きさまで育てるとのことでした。
さらに、その後、貝を開けてみると、昔は10個の真珠が入っていたのに、今は数個といったこともあるようです。また、場所によっては水質の問題から、真珠が取れるまでに最大10年かかることも。
今回のワークショップは、生産者さんを応援したい、滋賀県に住む方たちにびわ湖のことをもっと知ってほしいとの思いから計画しました。今回のワークショップをきっかけに、びわ湖の環境を守ること、人の暮らしと環境問題に多様な意見や考え方がある中、自分がどう美しいものを守るかを意識してもらえれば嬉しいです」