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MLGs・伝える講習会 /2024年MLGsワークショップレポート

2025年1月30日、滋賀県庁北新館の会議室にて「MLGs・伝える講習会」が開催されました。MLGs学習動画のお披露目とともに伝える仲間を増やすことを目的に開催された講習会の内容についてレポートします。

開会・趣旨説明

開会にあたり、MLGs案内人幹事で滋賀県理事員(琵琶湖政策・MLGs推進担当)の三和伸彦さんからMLGs策定の背景とこれまでの取り組みについて説明がありました。

現在、滋賀県の県政世論調査によるMLGsの認知度は25%にとどまっています。SDGsが広く知られる一方で、地域に根ざしたMLGsの理解を深めることが今後の課題です。今回の講習会は「伝える側の人を増やす」ことを目的に企画されました。

MLGsに込めた想い


環境分野に取り組みたくて県庁に入庁したと話す三和さん。石けん運動や琵琶湖条例に触れつつ、価値観や立場の違う人、すべての人の力が必要であると語ります。

熱心に資料を見る参加者

さらにMLGsが生まれた経緯について、川の流域協議会の事例から、「協働することで解決したい課題は何か」を明確にしたうえで、2011~20年度に計10回開催された「びわコミ会議」を紹介。びわコミ会議の議論から「びわ湖との約束」の作成、滋賀県琵琶湖環境科学研究センター専門研究員の佐藤祐一さんによる分析、整理へとつながっていきました。


その後、MLGsつくろうワークショップ(全6回)を経て、素案の10ゴールから現在の13のゴールが設定されました。

最後に三和さんは「SDGs、MLGsがあってもなくても、私たちは、石けん運動や琵琶湖の日の一斉清掃活動などさまざまなことに取り組んできました。こういった自主的・自発的な取り組みこそ、尊く誇るべきこと」とまとめました。

2024年12月4日から6日、東京ビッグサイトで開催された「SDGs Week EXPO 2024」に、MLGsのブースが出展したことを紹介。

三和さんは「学習ノートを持ち、ブースを回る小中学生に『自分たちの身近な環境を守るために、あなたはどんなことをしますか』と問いかけて、付箋に書いてもらいました」と解説。
小中学生が書いた付箋が貼られたボードは、EXPOで出展した際に会場に飾られていたもので、講習会の会場後方に置かれていました。ボードのデザインは元データとして保存されており、拡大印刷することで、他のイベントなどでも再利用が可能です。

子どもたちのコメントが書かれた付箋が貼られたボード

 

MLGs学習動画の活用


続いて、琵琶湖再生保全課の山本主査より、MLGsを広めるために制作された学習動画の活用方法について説明がありました。


講習会では、「びわ湖の課題とMLGs」「暮らしの中のMLGs」2本の動画を鑑賞しました。

「びわ湖の課題とMLGs」動画では、琵琶湖の概要やMLGsの策定経緯、MLGsとSDGsとの関係性、「暮らしの中のMLGs」動画では、MLGsの13の目標の説明と、日常生活で取り組める具体的なアクション例が解説されています。

動画では、MLGsを実践する2人が登場。

フィッシャーアーキテクト代表-駒井健也さん

動画では、琵琶湖の魚の数を保ちながら漁師をする駒井さんの活動は、Goal2「豊かな魚介類を取り戻そう」につながっているなどの具体例を紹介。また、漁業体験や全国のアーティストとコラボレーションしたイベントを企画する様子にも触れられていました。

ONE-SLASH-代表-清水広行さん

農業や米づくりのイメージを変えたいと動き出した清水さん。米づくりや地域を盛り上げるイベント「ゲリラ炊飯」をはじめ、積極的な情報発信は、Goal9「生業・産業に地域の資源を活かそう」につながっているなどと、わかりやすく紹介されていました。

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また、山本さんからは「教育委員会のアドバイスをもとに作成された「教員向け動画内容説明書」について、動画を一通り見なくても概要を把握できる工夫の説明がありました。

動画はYouTubeのほか、貸出用DVDやMP4データ、英語字幕付きバージョンなど、多様な形式で提供されています。利用申請は不要ですが、実績把握のため、滋賀県琵琶湖保全再生課水政策係へご連絡を。

学校の授業だけでなく、企業研修や自治会のイベントなど、幅広い場面で活用できることが期待されています。

参加者みんなで「MLGs体操」!


休憩を経て、MLGsの普及活動の一環として考案された「MLGs体操」の紹介へ。

MLGs体操は、琵琶湖や環境保全をテーマにした動きが取り入れられています。楽しくMLGsについて学ぶことができ、参加者全員で実践しました。

参加者全員でMLGs体操を実践

また、エニタイムフィットネスを運営する「株式会社Fast Fitness Japan」は、MLGs体操の出前講座を実施しており、県内の学校や学童保育の場で活用されています。詳細については、滋賀県学習情報提供システム「におねっと」から確認できます。

https://www.nionet.jp/index.html

ワークショップ「〇〇×MLGs」自分のプレゼンを作ってみよう

続いて三和さんから、動画を活用したMLGsのプレゼン資料の作り方について解説がありました。実際のプレゼン資料を元に、自己紹介から所属団体の紹介の仕方、MLGsの伝え方を学びます。

具体例とともにプレゼン資料の作成方法を説明

動画を使用することで、説明に置き換えたり、動画の一部分をスクリーンショットで撮り、静止画として活用したりする方法など、さまざまな工夫についても紹介されました。

イケチョウガイを手に説明する大塚さん

さらにMLGs案内人の大塚 佐緒里さんは、MLGsワークショップ「イケチョウガイの時計ボックスづくり〜アオバナ押し花を添えて〜」といった活動事例を紹介し、具体的な取り組みを共有しました。

閉会・修了証授与


講習会の最後には、修了証が参加者一人ひとりに授与されました。修了証は、琵琶湖のヨシ紙で作られています。

閉会後は、修了証とともに記念撮影をする参加者の姿もありました。


MLGs案内人 振付家 鈴村英理子さん
2024ミスアース滋賀 徳永麻衣佳さん
2023ミスアース京都 植村香音さん
株式会社Fast Fitness Japan 直営事業統括部 エリアマネージャー 守口美遊さん

今後、参加者が今回の講習会で学んだ内容を活かし、各地域でMLGsを伝える活動が広がることが期待されます。