MLGsニュース

「マザーレイクゴールズ・伝える講習会」が開催されました!

こんにちは。立命館大学3年の佐藤 佳苗(さとう かなえ)です。
2024年2月7日、大津合同庁舎会議室にて「マザーレイクゴールズ・伝える講習会」が開催されました。

この講習会では、滋賀県理事(琵琶湖政策・MLGs推進担当)・MLGs案内人幹事の三和伸彦さんによる講義と、琵琶湖環境部琵琶湖保全再生課 副主幹の小林匡哉さんによる「MLGs体操」の披露・体験が行われました。

【座学】「MLGs」を知る

最初は三和さんによる「MLGs」を知る座学を受けました。三和さんは以前に環境庁に出向した経験なども生かし、企業や学校などを対象にMLGsに関する様々な講演を行っています。
ここでは、大きく「琵琶湖の7つの価値」「琵琶湖の汚染から共生へ」「マザーレイクゴールズ(MLGs)」の3つについて学びました。

最初の「琵琶湖の7つの価値」は、
① 豊かな自然環境としての価値
② 水源としての価値
③ 水産業の場としての価値
④ 観光資源としての価値
⑤ 学術研究の場としての価値
⑥ ラムサール条約湿地としての価値
⑦ 祈りと暮らしに関わる遺産としての価値
です。
琵琶湖は滋賀だけでなく、下流域でもある京都や大阪とも重要な関わりがあることを知り、琵琶湖の問題は滋賀だけの問題ではないということを実感しました。

次の「琵琶湖の汚染から共生へ」では、琵琶湖の環境保全の歴史を学びました。リンを含む合成洗剤の使用などによって1977年に琵琶湖で淡水赤潮が大発生し、県内では主婦を中心に「洗たくにはリンを含まない粉石けんを使いましょう」という「石けん運動」が行われました。そうした活動が後押しとなり、1980年に富栄養化防止条例が施行されました。やがて「石けん運動」は「暮らし全体の見通しによる水環境保全運動」に発展、石けん運動を進める団体のネットワーク組織である「石けん会議」も「びわ湖会議」と名前を変えて、2008年の解散まで活動が続きました。こうした行政と県民の協働の経験は、現在のMLGsに生かされています。

最後の「MLGs」では、策定までの過程と取組内容を知りました。琵琶湖版のSDGsとして、多くの方々の「びわ湖との約束」をもとに、有識者などの意見やワークショップを重ねて、2021年に「変えよう、あなたと私から」をキーコンセプトとしたアジェンダが策定されました。MLGsはSDGsを身近で具体的な取組・アクションに落とし込むためのツールと見ることができ、MLGs は、世界規模の目標であるSDGsと私たちの取組との間に置くゴールであると説明されていたのが印象的でした。また、MLGsは行政だけでなく市民の取組、市民と行政の協働が重要だと教わりました。
MLGsの取組として、講演以外にも県内外のイベントに参加すること、テレビや動画投稿サイトとのコラボもあります。そして今年11月にハンガリーで開催された「世界湖沼会議」では、MLGsの講演とそれに関する映像を上映すると好評であったそうです。三和さんは講義の最後に「MLGsは自らが行動することはもちろん重要だが、誰かの行動をしっかり見守り、応援することも大切な取組の一つ、ぜひ今後もMLGsを知ってもらいたい」と話しました。

【実技】「MLGs体操」を覚える

講演を終えた後は、小林さんやエニタイムフィットネスの皆さんから「MLGs体操」を教わりました。

MLGs体操は滋賀県出身で元フリースタイルスキー・モーグル日本代表、現在はMLGs広報大使の伊藤みきさんがプロデュースされました。この体操は代謝を上げて空調に頼らない体づくりを目標とし、MLGsのゴールの一つ「びわ湖のためにも温室効果ガスの排出を減らそう」に貢献します。また体操を通じてMLGsの13のゴールの内容を体で表現していることが特徴です。

今回は三和(COZY)さんの歌とギターに合わせて小林さんとエニタイムフィットネスの皆さんがお手本を披露しました。エニタイムフィットネスの皆さんは今まで何十回も各地で体操を教えているそうです。お手本を見た後、講習会の参加者たちも実際に踊りました。私も踊ると体がとても温まり、今後もやってみたいと思いました。

【ワーク】「MLGs」プレゼンを作る

最後に、MLGsを伝える側になるために、サンプルをもとに参加者なりのプレゼンを作るワークショップも行われました。座学で学んだ「琵琶湖の7つの価値」や、MLGsの策定過程、これまでの取組などを、各自のパソコンを使って伝えるためのプレゼン資料を作成しました。
本日の講習会参加者が伝える側になり、また更にMLGsが周知される機会が増えたらよいなと思いました。

最後に

講習会の後、エニタイムフィットネスの守口美遊さんにお話しを伺いました。
「講習会ではMLGsをどのように伝えていけばよいのか、わかりやすく説明されていました。MLGsを身近なものとして広げていこうという思いが強くなります。また、エニタイムフィットネス滋賀エリアの私たちとしても県内全体にMLGsを周知させていき、また滋賀県以外の人や若者にも伝えていくことが大事だなと思いました」と感想を語ってくれました。

2時間の講習でしたが、参加者の皆さんが熱心に内容に向かい合っていることが印象的でした。そして今後もMLGsに関わっていくことの必要性と、MLGsに対する熱意を感じ取ることができました。私の出身は滋賀県ではないですが、MLGsの内容をもとに地元でも取り入れ、琵琶湖だけでなく世界の環境が良い方向になれば良いなと思えることができました。
今回の関係者や参加者の皆様、ありがとうございました。