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未来に残したい宝物 -奇跡の真珠・琵琶湖パールと出会う-(マザーレイクニュース)

MLGs WEB学生ライターの中西優奈(立命館大学大学院)・河野彩芽(同志社女子大学)です。今回は琵琶湖パールのPRや琵琶湖の環境保全事業に取り組む「琵琶湖パールサプライズプロジェクト」代表の廣瀬香織さんにお話を伺いました。(取材日:2021年8月6日)

日本最大の湖・琵琶湖では約90年前から琵琶湖のイケチョウガイを母貝とする淡水真珠の養殖が行われてきた。海でできた真珠とは違い、様々な色や形をした琵琶湖パールには人々を惹きつける不思議な魅力がある。しかし、1970年代後半から琵琶湖の環境の変化や安価な淡水パールの流通に伴い養殖業者が激減し、琵琶湖産の淡水真珠はいつしか知る人も少なくなっていった。

琵琶湖パールサプライズプロジェクトは、守山市・赤野井湾の漁業組合と連携し、琵琶湖パールのPRや琵琶湖の環境保全事業に取り組み始め、地域の宝物でもある「もりやま琵琶湖パール」の復活を目指している。

「琵琶湖パール」をもう一度輝かせたい

琵琶湖パールサプライズプロジェクト代表の廣瀬香織さんは、子育て支援の活動を始めとし地域で様々なプロジェクトや事業を企画されている。その中で守山市の地域資源のひとつ琵琶湖パールと出会いがあり、玉津小津漁業協同組合と取り組みを始めたことになった。

廣瀬さんは「守山にある琵琶湖パールという素晴らしい特産をもう一度輝かせたい、地元の若者・子どもたちに発信したい」という思いから、2018年に「琵琶湖パールズサプライズプロジェクト」を発足。琵琶湖パール養殖作業の体験や、「真珠貝のオーナー制度」を企画運営している。2020年5月には、守山市の旧中山道沿いにある建物を一部改修し、琵琶湖パールに親しみ、発信できる拠点としてアンテナショップ「BIWAKO PEARLS SURPRISE」をオープンした。

琵琶湖パールのアクセサリーの販売や養殖場写真パネル等を展示するアンテナショップ
「BIWAKO PEARLS SURPRISE」の店頭

真珠を通じて考える琵琶湖の環境保全

MLGsに賛同したのは、琵琶湖自体が注目された取り組みであることに共感したからだと廣瀬さんは語る。琵琶湖パールを育てるためには綺麗な琵琶湖の水が必要だ。琵琶湖の環境保全にはこれまでも、多くの方が環境保全活動で関わっている。直接的に環境保全の活動に参加できないとしても、琵琶湖パールの美しさから、同時に琵琶湖の環境保全についても知ってもらい、琵琶湖パールを通して琵琶湖に関わることができるしくみづくりを目指している。

取り組みの1つである「真珠貝のオーナー制度」は、購入資金が琵琶湖パールの養殖・管理に活用される。廣瀬さんは、この取り組みを通じて、オーナーとなった方が琵琶湖の環境保全が身近な問題として考えるきっかけとなることを大切にされているそうだ。

真珠貝のオーナー申込者を対象に月1回行われている養殖作業体験

人々を魅了する琵琶湖パール

通常、海でつくられる海水パールは、細胞片と核を貝に入れて真珠層が巻き付いて真珠ができる。それに対し、淡水の琵琶湖で作られる琵琶湖パールは細胞片のみで無核であるため様々な色や形をした真珠ができる。

BIWAKO PEARLS SURPRISEではパールを使ったアクセサリーをはじめ様々な商品が展開されている。琵琶湖パールを使用しているブローチの”BIWARCHI”は、廣瀬さんの娘の廣瀬 優衣さんが、アクセサリーでは使えない傷の入ったパールの使い道を考えていた時に考案したものだという。傷の入ったパールだと購入しやすい価格で販売でき、それをブローチにすることで様々な人が気軽に琵琶湖パールを身につけてもらえるのではないかという狙いからできたものだ。形も色もそれぞれ違うという琵琶湖パールの特徴を活かした商品が多数あり、毎日身に着けたくなるようなお気に入りのものが見つかるだろう。

BIWARCHIの売上の一部は琵琶湖の環境保全活動に寄附されている

「琵琶湖に足を運ぶきっかけになれば」

最後に、これからMLGsに関わっていく若者に向けたメッセージを聞いた。

廣瀬優衣さんは「若い人にとってパールは親しみづらい印象があるかもしれないが、若い人にはぜひ琵琶湖パールを気軽に身につけて、琵琶湖でパールが穫れるということを知ってほしい。また、琵琶湖パールから琵琶湖に足を運ぶきっかけをつくれたら嬉しい。その中で、琵琶湖に訪れた際にゴミは持ち帰るなど琵琶湖の環境保全にも気を遣う若者が増えてほしい」と話した。

代表の廣瀬香織さんからは「琵琶湖の環境を1つとっても、何が正解か不正解かは誰にも分からない。『楽しそう』と思ったことについて、自分の信念を大事に続けていくことが大事。楽しく長く続けることで新しい発見や出会いがあり、仲間も集まってくるもの。『未来に残したい宝物』にワクワクしながら琵琶湖パールが地元のみんなにとって自慢できる産物となるよう活動を続けていきたい」というメッセージをいただいた。

琵琶湖パールズサプライズプロジェクト代表の廣瀬香織さん

 

この記事は、「MLGs ライター講座」の受講生の皆様によって取材・執筆いただきました。

取材協力:BIWAKO PEARLS SURPRISE(https://biwako-pearls.jimdofree.com/