MLGs世話人の村上悟(特定非営利活動法人 碧いびわ湖)です。
去る2月15日と3月1日の夜、標記のオンライン・トークサロンを開催しました。住まい手とつくり手、18人がオンラインで一同に会し、「滋賀のこれから住まい」について、思いや経験を交換しました。
なお、全編の録画を、賛同者専用ページからYoutubeでご覧いただけます。まだご賛同いただけていない方は、数分で完了します。ぜひMLGsに賛同するページでご賛同いただいて、御覧ください。
MLGsと“住まい”
“住まい”は、森林、気候変動、防災、コミュニティなど、MLGsのさまざまなゴールに関わる、重要な要素です。
しかし、家を建てる人が、住まいづくりについて広く学べる機会は多くはありません。また、建築の実務者同士の交流や学び合いも、限られた範囲に留まっているようです。
そこで今回、MLGsという共通目標のもと、立場を超えて対話する機会をつくることにチャレンジしました。
多様な価値感と想い
第1回は「わかちあい編」として、二人のファシリテータと三人の話題提供者から簡単に情報提供をしたあと、参加者のみなさんから事前にお寄せいただいたお題をもとに、情報と意見を交換しました。
素材や構造などの建物自体のことに限らず、戸建てか賃貸かという所有のこと、家族や地域などのコミュニティのあり方、空き家の増加や気候危機などの社会問題への向き合い等、さまざまな話題が出ました。
話題に対する考え方も多種多様で、住まいに対する考えや想いは、一人一人の生き方や価値観を映すものであるということが明らかになりました。また、住まいというものが、いかに社会のさまざまな要素と多層的につながっているかも、明らかになりました。
↑第1回の「わかちあい編」での話題
持続可能な住まいとは?
第2回の「ふかぼり編」では、素材や構造など、「建物のハード」に論点を絞りました。特に”木の家”と”高断熱住宅”について、それぞれにお詳しい建築士の岩波正さんと、工務店の夏見諭さんのお二人からお話を伺いました。そして参加者からの質疑と、意見交換を行いました。
その結果、”木の家”でも断熱性能は高められるし、”高断熱住宅”でも、地元材や職人さんの技術はいかせることなどが確認できました。
一方で、工務店は競争に勝ち抜くために極端な”差別化”に走りがちで、建主もスペック比較に振り回されてしまいがち。その結果として、総合的なバランスや持続可能性を勘案した建築が建てられにくいという、社会的な課題が明らかになりました。
さらなる展開へ
今回のワークショップを通じ、新たなつながりが生まれ、気づきや関係性を深めることができました。
一方で、地元の木と職人さんの技術を生かし、温熱環境も整った、MLGsを達成していけるような住まいを増やすためには、取り組むべき課題は、多岐にわたることも再認識されました。
引き続き、具体的な現場での実践に触れたり、今回のトークサロンでは検討しきれなかった「所有のあり方」や「コミュニティ」などの分野について深堀りするような機会をつくっていきたいと思います。