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2023年度 みんなのBIWAKO会議/COP2ーvol.06 全体会・閉会式

こんにちは。

MLGs学生ライターの小野雅崇(立命館大学)です。

今年の9月18日(月)に「MLGsみんなのBIWAKO会議 / COP2」が行われました。
今回は、本イベントを総括する全体会と閉会式の現地リポートをお届けします。


閉会式の会場前に展示された、琵琶湖をテーマにした川柳

イベントでは、次のようなプログラムが行われました。ぜひ、関連記事もお楽しみください!
①「2023年度 みんなのBIWAKO会議ーvol.01 開会式・全体会」

②「2023年度 みんなのBIWAKO会議ーvol.02 分科会1」

③「2023年度 みんなのBIWAKO会議ーvol.03 分科会2」

④「2023年度 みんなのBIWAKO会議ーvol.04 分科会3」

⑤「2023年度 みんなのBIWAKO会議ーvol.05 分科会4」

分科会が再集合、熱気再び

市民、事業者、行政など、琵琶湖を愛する多様な人々が集う「MLGsみんなのBIWAKO会議 / COP2」最後のプログラムとなる全体会・閉会式。各分科会のコーディネータから、議論の共有がされました。司会を務めるのは、滋賀県を中心に活動するプロデューサーの川本勇(ゆう)さんと、ミスアース滋賀の髙坂知映さん。活発な議論が交わされた各分科会をどうまとめるのか、楽しみです。

壇上には、MLGs広報大使でフリースタイルスキー・モーグルの元日本代表、伊藤みきさんの姿も

第1分科会「漁師×アート」話題が話題を呼ぶ

司会の1人である川本勇さんから「充実した顔をしていますが」と最初に話をふられたのは、第1分科会のコーディネーターを務めた上田隼也さん(一般社団法人インパクトラボ)。付箋を用いて最初に全体の意見を集めた第1分科会では、漁師×アートなど多様なテーマで盛り上がったとのことです。一方で、資金面や人材面での難しさも共感を呼んだのだとか。高校生から大人まで幅広い年代の方が議論に参加されたようです。ここでもキーワードは「創発」だと上田さんは指摘されていました。


分科会での議論の共有に笑みをこぼす上田さん(左)

第2分科会「ネガティブをポジティブへ」

第2分科会コーディネーターを務めた中井健太さん(合同会社andstep)は、キーワードを「ネガティブをポジティブへ」と表現しました。分科会の最後にはオンラインショップの紹介があり、話を聞いて人に興味を持つと、実際に行動につながると指摘。ビジネスへの入り口としてのMLGsの重要性を感じたといいます。川本さんは行政の「お金儲けはしない」「集客も必要ない」といった意識に疑問を呈し、第4分科会コーディネーターの三和伸彦さん(滋賀県理事、MLGs案内人幹事)は「公平性に囚われている側面はある」と指摘しました。ネガティブな意識をポジティブな意識へとシフトすることができれば、MLGsを達成するヒントになりそうです。


持続可能な課題解決の仕組みが大事だと語る中井さん

第3分科会「立場を超えた、連携の在り方を模索したい」

海外や他の地域の事例を参考にしながら議論を進めたと紹介するのは、第3分科会でコーディネーターを務めた佐藤祐一さん(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター・MLGs案内人代表)。行政だけで解決に乗り出さず、市民と一緒に、あるいは市民が主体となって動いていることが成功例の共通項として見えてきたと言います。プラごみの調査をしている佐藤さん自身も「そこに市民の方たちが関わって、協力してくださることが、大きな力になる」と考えており、第3分科会ではいろんな人を巻き込む方向性を見出せたそうです。

いろんな人を巻き込む重要性を強調する佐藤さん

第4分科会「“想い”を世界へ発信」次世代への継承も

「たくさんの人を巻き込むことが大事」とした第3分科会の流れを引き継ぐカタチで紹介された第4分科会コーディネーターの三和伸彦さん(滋賀県理事、MLGs案内人幹事)。大阪万博を引き合いに「MLGsで表現しようとしている“想い”を世界へ発信していく」ことが大事だと話します。また、その“想い”を発信していくにはどうすれば良いのか、という話題が第4分科会の中心となったとも語りました。


大阪・関西万博に焦点を当てて話す三和さん

途中、司会の川本さんが、MLGsの根底となる母なる湖(マザーレイク)という概念を、お腹の中に第二子を育む伊藤さんの姿と重ねて、話を振ります。伊藤さんは、スポーツという観点と母親という観点から「次の世代に何を残せるのかを考えていかなければならない」と語りました。また、参加者から「MLGsは滋賀県内でコツコツとやるものだと思っていた。世界へ発信なんて、ワクワクする」との発言もあり、寄せられる期待の大きさが感じられます。


全体会では、参加者からのコメントが相次ぎました。

夢川柳(ゆめせんりゅう)

各分科会では、議論の内容を汲んだ川柳が詠まれました。
第1分科会は「人間と 湖(うみ)がよび合う MLGs」。MLGsはコミュニケーションツールだとした開会式での佐藤さんの発言を引用しながら、分野を横断した横のつながりが大事だと話します。
第2分科会は「ネガティブを ポジティブ変換 エニタイム」。どんな時でも、ポジティブな意識が鍵になってくると強調しました。
第3分科会は「ごみ問題 市民も楽しく みんなをサポート」。市民がいろんなポジションの人をサポートできる環境と、楽しく取り組める状況づくりが重要だと語ります。
第4分科会は「新しい ワクワク発信 万博で」「ミャクミャクと 受け継ぐ心 母心」大阪万博に着目し、母なる湖というMLGsの根底に立ち返って全体を総括しました。


川柳を発表した各分科会のコーディネーターの皆さん

さいごに

ここまで、2023年度 MLGsみんなのBIWAKO会議 / COP2 の全大会と閉会式の様子をお届けしてきました。印象に残っているのは、各分科会は、それぞれが独立した領域のようで、密接に関連していたことです。多様な分野・領域を横断するヨコの繋がりが化学反応を生むことが分かった第1分科会では、マネタイズ(資金面)や人材面で課題が浮き彫りに。これはまさに第2分科会のビジネス思考につながるところです。また第2分科会で語られた「ビジネスを通じた意識変革」は、第3分科会の「立場を超えた連携」に繋がります。第3分科会で話題に上がった「人を巻き込む力」はまさに第4分科会の「世界への発信」に繋がるところでしょう。
本イベントでは、記事では紹介しきれなかった濃密な内容で溢れていました。MLGsの価値観や地方課題の解決、これらに取り組む人々に興味がある方は、ぜひ一度関連イベントに足を運んでみてください。もしかしたら、新たな学びと気づきが得られるかもしれません!
各分科会やこの他の全体会の様子をまとめた記事や当日の動画もあるので、興味がある方はこれらもご覧ください!

MLGsみんなのBIWAKO会議/COP2 ①全体会(前半)

MLGsみんなのBIWAKO会議/COP2 ②-1 分科会1 MLGs × ○○化学反応をどう創る?

MLGsみんなのBIWAKO会議/COP2 ②-2 分科会2 MLGsはビジネスにできるのか?

MLGsみんなのBIWAKO会議/COP2 ②-3 分科会3 びわ湖のプラごみ問題、何が問題?

MLGsみんなのBIWAKO会議/COP2 ②-4 分科会4 MLGsの県外・世界への発信について考える

MLGsみんなのBIWAKO会議/COP2 ③全体会(後半)